1.金融情勢

 平成22年度の金融・資本市場をみると、短期金利については、総じて低利で安定的に推移した。日本銀行による潤沢な資金供給のもと、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、年度当初から0.1%前後で推移し、平成22年10月に行われた日本銀行の誘導目標の引下げ以降は、0.1%を下回る水準で推移した。長期金利(10年物国債利回り)は、米国等の長期金利が低下するなかで低下基調となり、8月下旬にかけて一時0.9%を割り込んだ。しかし、その後、米国等の長期金利が上昇したこと等を受けて上昇し、年度末は1.2~1.3%程度で推移した。

 株価(日経平均)は、欧州金融システムへの懸念等から、8月下旬には9,000円を割り込むまで下落したものの、その後、米国株価が堅調であること等から上昇し、本年1月には1万500円前後まで回復した。しかし、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の影響等により大幅に下落し、年度末の株価は9,755円10銭となった(22年3月末は1万1,089円94銭)。

 為替相場は、欧州金融システム等への懸念から、リスク回避の動きが高まったことを受け、米ドルに対して、5月以降は円高基調となり、10月下旬には1ドル80円台まで上昇し、その後は80~85円で推移した。東日本大震災後は、一時的に1ドル76円台前半まで円高が進んだものの、G7による協調介入もあって、年度末の為替相場は、1ドル=82円84銭となった(22年3月末は93円27銭)。

図1 国内主要金利等の推移

図2 海外主要金利等の推移

図3 全国銀行の経常利益・資金運用益の推移

 

2.銀行の経営統合等の動き

 平成22年度中に見られた経営統合等の動きは、以下のとおりである。

  • 泉州銀行と池田銀行の合併
    平成22年5月1日、泉州銀行と池田銀行が合併し、「池田泉州銀行」となった。

 

[担当:福田]