基本授業
商業科「経済活動と法」選択者を対象とした授業が実施されました。
消費者と法について学ぶ5時間授業の中の4時間目となる本時は、「消費者信用」ということで、クレジットのメリット・デメリットや多重債務について学んでいきました。
授業のはじめに田井先生から、「世の中には色々なカードがあります。どんなカードがあるか確認していきましょう」ということで、何枚かのカードが提示されました。
サッカーの審判が使用するイエローカードやレッドカード、運転免許証、保険証、IDカード、プリペイドカード、キャッシュカードなどが提示され、どのような場面で使用するかなど確認をしていきました。
次にクレジットカードが提示され、キャッシュカードとクレジットカードの違いは何なのかを考えていくこととしました。
自分名義のクレジットカードを持っている生徒はいませんでした。前時に学習したローンと同じように、クレジットカードを持つためにも「信用」が必要であることを再度確認していきました。ローン&クレジットのABCp18を確認しながら、ワークシートに記入をして理解を深めていきます。
4つのCは、Character,Capacity,Capital,Controlでした。クレジットとは信用を指す言葉で、後払いは利用者の信用によって成り立っているということが分かりました。
また、クレジットカードには利用限度額が決められており、ローン&クレジットのABCp11のQ5を考え、利用限度額からまだ返済していない金額を差し引いた金額分を利用することができるというクレジットカードの仕組みを理解することもできました。
クレジットの支払い方法については、一括払いと分割(リボルビング)払いでは手数料が異なること、分割払いの場合は現金支払いよりも支払総額が大きくなることも確認をしました。
ここで、実際にクレジットカードを使って商品の購入体験をしてみることとなりました。
田井先生が店員、生徒が最新のコートを買いに来た客となり、実際にカードを使って商品を購入するまでの流れを確認していきました。
クレジットカードを使って商品を購入する正しい流れの確認と併せて、暗証番号やクレジットカードの管理が不十分であったり、カード情報を盗まれてしまったりして、他人に悪用される危険性もあるということも体験を通して理解できたようでした。
ここまで学んだことを踏まえて、クレジットのメリットとデメリットをそれぞれに考え、ワークシートにまとめていきました。
メリットは、分割払いができる、現金がない場合でも後払いで商品を購入できる、多くの現金を持ち歩かなくてよい、デメリットは、分割払いにすると手数料がかかる、買い物をし過ぎてしまう、カードを紛失すると大変な被害に遭うこともある等、生徒から発表がありました。
授業のまとめは、クレジットカードで買い物等をし過ぎて計画通りにお金を返済できなくなったらどうするかということを考えていきました。
生徒にどうするか聞いたところ、「クレジット会社に電話をして、予定通りに返済できないことを伝える」、「親に頼んでお金を貸してもらう」、「銀行からお金を借りて、借りたお金で払う」という回答がありました。
返済のためにお金を借りる、借りたお金を返すためにまたお金を借りるということを続けていくと多重債務に陥ってしまうということが田井先生から伝えられました。ローン&クレジットのABCp32の図で雪だるま式に借金が増えていく様子を確認し、ローンやクレジットは計画的に利用しないといけないということが十分理解できたようです。
次時は、本時の内容を踏まえ多重債務に陥ってしまったらどのような債務整理方法があるのかなど、消費者保護について学んでいくことが伝えられ、授業は終了となりました。