2001年1月 4日

各 位

社団法人 東京銀行協会

新内国為替制度への移行について

全国銀行内国為替制度を運営する社団法人東京銀行協会(会長 西川善文(住友銀行頭取)、以下「東銀協」という。)では、民間決済システムとしての自己規範の確立と決済リスク対策の強化を図るため、全国銀行データ通信システム(全銀システム)による内国為替取引について、東銀協をセントラル・カウンター・パーティ(集中決済の当事者)とする新しい制度へ移行することとし、準備を進めて参りましたが、本日、日本銀行のRTGS化の実施と同時に新制度に移行いたしました。
新制度の概要は、次のとおりです。

決済のセントラル・カウンター・パーティを東銀協に変更

全銀システムによる加盟銀行間の内国為替取引に伴う決済は、従来は日本銀行を相手方とする貸借取引に置き換えたうえでネッティングを行い、各加盟銀行が日本銀行に設けている当座勘定により決済されていましたが、新制度では、日本銀行から東銀協にセントラル・カウンター・パーティを変更し、東銀協を相手方とする貸借取引に置き換えたうえでネッティングを行い、決済も日本銀行に設けた東銀協の当座勘定を介して行われます。

決済リスク対策を強化

決済に伴なうリスク対策として、各加盟銀行は、東銀協に対して、自己申告の仕向超過限度額の 100%をカバーするよう担保または他行からの保証を差し入れることとしています。東銀協は、この担保の管理等を行います。(従来は、日本銀行に対して仕向超過限度額の65%以上の担保を差入れることとしていた。)

決済尻不払発生時の対応を整備

万一決済尻不払が発生した場合には、東銀協が、予め定められた流動性供給銀行から資金の供給を受け、その資金を不払額に充当することにより、当日の決済を完了させることとしています。(従来は、日本銀行が不払額を立て替えて当日の決済を完了させることとしていた。)

以上

【本件照会先】東銀協 事務システム部 山本、小沢(TEL03-5252-3801,4315)

<用語説明>

(全国銀行内国為替制度)

全国銀行内国為替制度は、金融機関相互間の内国為替取引(振込、送金等)を一定のルールにもとづき、公正かつ円滑に行うための制度であり、全国銀行データ通信システム(全銀システム)により、加盟金融機関相互間をコンピュータと通信回線で結び、為替取引をオンライン処理するなどわが国の決済システムの中核的な存在である。

同制度には、都市銀行、地方銀行をはじめとする全国の銀行のほか、信用金庫から農業協同組合にいたるまで日本のほとんどすべての民間金融機関が加盟している(加盟金融機関数2,302 店舗数41,789(平成12年11月末現在))。

(仕向超過限度額)

加盟金融機関毎に、全銀システムによる為替取引に伴って生じた他のすべての金融機関に支払うべき金額の累計額から、他のすべての金融機関から受け取るべき金額の累計額を差し引いた金額(仕向超過額)について設定されている限度額のことをいい、仕向超過限度額を超える為替電文の発信があった場合には、当該電文はエラーとされ、発信金融機関に戻される。

うした仕組みにより、全銀システムでは、各加盟金融機関の仕向超過限度額を常時システム的に管理しており、未決済残高が巨額になることを未然に防止している。