平成14年1月 3日

全国銀行協会
会長 山本 惠朗

『年頭所感』

平成14年の新春を迎えるにあたり、所感の一端を申し述べ、新年のご挨拶としたい。

昨年の金融界を振り返ると、再編の更なる進展、異業種・外資の参入など、競争環境が大きく変化する一方で、政府が発表した「緊急経済対策」、「改革先行プログラム」等において、銀行の不良債権問題が喫緊の課題として位置付けられ、各行がより一層の不良債権処理を進めると共に、銀行界としてそのためのインフラ構築に深く関わった一年であった。「私的整理に関するガイドライン」を全銀協で取りまとめたり、整理回収機構(RCC)の機能拡充に関する法案が成立するなど、不良債権処理に関するフレームワーク整備が進んだ。一方で、銀行の株式保有リスクを縮減することを目指した株式保有制限、及び規制導入に伴うセーフティネットとして銀行等保有株式取得機構の設立に関する法案も成立し、銀行界としても本年一月の発足を目指し、現在設立準備を鋭意進めているところである。銀行界にとっては、多くの課題を次々に処理していくことに相当な体力を傾けた一年であったというのが実感である。

本年は、銀行界として次なる飛躍の基礎を盤石とすべく、以下の課題に取組んでいきたいと考えている。

第一の課題は、金融システムの信頼をより強固なものにすることである。そのためには不良債権問題の抜本的解決が必要であるが、金融機関が不良債権の処理を一層進めるとともに、産業界においても過剰債務や非効率性といった構造問題の解決を図ることが重要であると考えている。われわれ金融機関として、最終処理促進においては、再建可能な企業にはその方向で支援するなど、きめ細かな対応を行なって行く。また、4月に予定されているペイオフ凍結解除に向けた体制構築を進めて行くことも極めて重要である。

第二の課題は、ITの進展や規制緩和の成果をお客さまへ還元することである。ICカード、マルチペイメントなどの新しい金融商品・金融インフラ、保険商品の窓販や確定拠出年金の拡販などの多様な金融サービスをお客さまへ提供していくことは、国民生活の向上に資するものと考えている。

第三の課題は、自由で活力ある金融システムを構築するための環境整備である。特に、郵貯や政府系金融機関などの公的金融の存在は、金融資本市場の効率化・活性化の阻害要因となっており、抜本的な改革が必要である。今年は、小泉内閣の下での具体的な改革実行の初年度であり、全銀協としても大いに期待しているところである。また、2005年に新BIS規制の導入を控えているが、今年予定されている第3次市中協議案に対して、適切な意見発信を行ってまいりたい。

本年も、わが国経済活性化に向け、金融界としても出来る限り貢献してまいりたい。