平成14年7月23日

各 位

全国銀行協会
会長 寺西 正司

「日本郵政公社法」等の成立について

本日、2003年4月に設置される「日本郵政公社」の概要を規定する「日本郵政公社法」、及び「日本郵政公社法施行法」が参議院本会議にて可決、成立しました。

我が国の郵便貯金は、「少額貯蓄手段の提供」という本来の目的を大きく逸脱し、今やその残高が約240兆円(2002年3月末)に達するなど、質・量の両面で肥大化を遂げております。また、貯金に対する国家保証や納税負担の免除等の民間金融機関にはない「官業ゆえの特典」を有したまま、巨額の資金を市場原理の埒外に置くことにより、金融資本市場の活性化や成長分野へのリスクマネーの供給を阻害するなど、国民経済的にみて様々な問題を有しております。こうしたなか、全銀協としましても、郵便貯金の経営形態や業務範囲等について、抜本的改革が必要であると主張してまいりました。

今般成立した「日本郵政公社法」では、企業会計原則の導入、金融庁長官による立入検査権限の規定等が設けられたものの、「民業補完」等の目的規定の明確化はなされておりません。また、「日本郵政公社法施行法」では、私どもが要望してきた郵便貯金の預入限度額1,000万円からの引下げが盛り込まれないなど、なお検討されるべき課題は多いと認識しております。

さらに、国会審議により修正が行われた国庫納付金に関する規定では、中期経営計画の最終事業年度における利益等の積立金が、経営の健全性確保に必要な一定の基準額を超えた場合にのみ納付が行われるとされており、公社が過小資本であると言われていることも勘案すると、当分の間、国庫納付が行われないといった問題があります。併せて、国会審議における政府側答弁で、国庫納付は法人税相当、国家保証の対価とされながらも、最終的にはそうした位置付けのものとなっておりません。

私どもとしては、国営の公社である限りは、制度本来の目的に立ち返り、その事業運営を限定的なものとし、事業規模・範囲について縮小の方向での検討がなされるよう、強く要望致します。

なお、公社化後の郵便貯金事業のあり方については、「民間でできるものは、できるだけ民間に委ねる」との構造改革の基本方針に立ち、廃止、もしくは民間との競争の公平性を確保した上での民営化の方向での抜本的改革について、幅広い議論がなされることを強く期待致します。