平成14年11月 5日

各 位

私的整理に関するガイドライン実務研究会

「私的整理に関するガイドライン」運用に関する検討結果について

私的整理に関するガイドラインの一層の利用促進のため、私的整理に関するガイドライン研究会の有識者委員の有志、私的整理実務家(弁護士・公認会計士)、金融機関担当者等を構成員とする「私的整理に関するガイドライン実務研究会」(座長:高木新二郎獨協大学法学部教授)を本年9月に発足させ、運用実務の問題点について検討し、今般、検討結果を取りまとめました。その要旨は下記のとおりです。

1.再建計画案の内容

再建計画案の要件について、合理的な例外を排除するものではない。

(1)3年以内の実質債務超過解消

  • 業の特質を考慮して合理性を判断。
  • 東証の上場廃止基準厳格化では、ガイドラインに基づく場合は一定の猶予措置。

(2)3年以内の経常利益黒字化

  • 実質債務超過解消の要件よりは、例外は限定的。

(3)株主責任

  • 減増資が原則であるが、常に減資をしなければならないものではない。

(4)経営者責任

  • 企業が窮境に至った原因について責任がなければ、取締役であるからといって当然に退任する必要はない。
  • 人材確保などの点から柔軟に対応しなければならないこともある。

(5)平等衡平

  • 平等と衡平を旨とするための一層の努力が必要。

2.対象債権者全員の同意

多数決は困難。不同意債権者を除いて手続を進めることは可能。

3.中小企業に対する適用

(1)中小企業も利用可能

  • 取引金融機関が少ない場合は、手間がかかり厄介とされる可能性もある。

(2)ガイドラインによる手続に準じた利用

  • ガイドラインによる手続に準じた手続にも、専門家アドバイザーを依頼して客観性を担保することにより、課税問題やニューマネー融資についての同様の取扱いがなされることが望まれる。

(3)再建計画案の内容に関する要件の緩和の是非

  • 一般的に要件を緩和しなければならないとするのは相当ではない。

(4)特定調停手続の利用

  • 債権放棄等について損金算入が認められる蓋然性が高い。

4.専門家アドバイザー

(1)中小企業も利用可能

  • 専門家アドバイザーを原則として選任する運用は正しい。
  • 主要債権者等が事前選定や事前相談をするのはやむを得ない運用。ただし、対象債権者が異議を申し述べる機会の確保が必要。

(2)専門家アドバイザーの利害衝突

(ア)
弁護士
メイン行、準メイン行と特別の関わりがなければ専門家アドバイザー就任は可。
(イ)
公認会計士
監査法人に補助者としての役割を期待。

(3)専門家アドバイザーの推薦

  • 専門家アドバイザー推薦委員会が情報を提供。

5.税制上の問題についての提言

  1. 資産評価損を税務上損金に算入することを可能とすること。
  2. 債務免除益と繰越欠損金とを損益通算するにあたり、青色欠損金よりも期限切れ繰越欠損金から優先的に使用することを可能とすること。

6.その他

  1. ニューマネー融資債権
    開示債権であることがニューマネー融資を渋る理由になるとは考えにくい。
  2. 整理回収機構の関わり
    整理回収機構に調整役としての役割などが期待される。

【本件照会先】 私的整理に関するガイドライン実務研究会事務局
全国銀行協会 企画部  担当:神門 ℡ 03-5252-3701