2003年1月15日

各 位

全国銀行協会会長
寺西 正司

日本郵政公社の「中期経営目標・中期経営計画」について

本日の日本郵政公社設立会議において、本年4月から4年間にわたる日本郵政公社の中期経営目標・中期経営計画(認可申請案)がとりまとめられました。

私どもでは、今回の目標・計画の策定にあたっては、郵便貯金事業における「民業補完」の観点を明確にし、肥大化した現状を見直す旨の中期経営目標を設定すべきであり、また、そうした観点から国営の公社に相応しい中期経営計画を策定すべきであると主張し、昨年12月に要望をとりまとめました。

しかしながら、本日、とりまとめられた中期経営目標では、「民業補完」の観点からの具体的な考慮はなされておらず、むしろ、公社が推進しようとしている「自立的かつ弾力的な経営」により、さらなる「民業圧迫」への懸念が強まっています。

また、国民生活に密接に関係する郵政公社の4年間にわたる経営目標・経営計画という重要な事項であるにもかかわらず、これまで、関係する民間業界や国民からの意見を聴取するプロセスを設けることなく、その策定作業が進められてきたことは、誠に残念と言わざるを得ません。

なお、郵便貯金事業の抱える構造的な問題は、公社化では解決されないことから、政府においては、昨年9月にとりまとめられた「郵政三事業の在り方について考える懇談会」の報告書ならびに、私どもをはじめとする民間各界の提言等を踏まえ、早急に民営化等の郵政三事業の抜本的改革に着手されるよう、改めて要望いたします。