2009年6月18日

各 位

全国銀行協会

英国金融サービス機構「ターナー・レビュー」に対するコメントの提出について

 全国銀行協会は、本日、英国金融サービス機構が銀行危機への規制のあり方を包括的に示した「ターナー・レビュー」に対して、コメントを提出しました。
 現在、銀行の自己資本比率規制等を強化するための国際的な議論が行われております。その議論の方向性を考える材料として、英国金融サービス機構の「ターナー・レビュー」は重要な意味を有していることから、全銀協として、この機会を利用してコメントを提出することとしました。コメントの主なポイントは、下記のとおりです。

 

 

  1. 新たな規制の枠組作りにおいては、一部の国が規制導入を急ぐあまりマーケットが混乱することがあってはならないと考える。国際的な金融市場混乱への対応は、バーゼル銀行監督委員会等の場においてグローバルベースでの規制の構築を目指すのがあるべき姿と考える。

  2. 規制強化に繋がる議論は、景気回復が確実になるまでは十分慎重に行うべきであることを確認したい。資本の量や質に係る議論については市場への影響が大きいことから、慎重な対応が必要である。特に、「ターナー・レビュー」において「コアTier1比率」で4%以上の水準を求めている点などは、その定義を含めて、国際的なコンセンサスを得ることが不可欠である。

  3. レバレッジ・レシオやコア・ファンディング・レシオなどの新しい複数の指標を規制として導入することが提案されているが、それらを導入する際には、パッケージとしての複合的影響を十分に斟酌すべきである。プロシクリカリティをさらに増幅するような規制であってはならないと考える。このため、慎重な影響度調査を実施することが不可欠である。