平成23年7月 1日

一般社団法人全国銀行協会
会長 永易 克典

就任にあたって

 この度、奥前会長からバトンを引き継ぎ、全国銀行協会の会長を務めさせていただくこととなりました。就任に当たり、一言ご挨拶申しあげます。

 東日本大震災・福島原子力発電所事故では、東北地方を中心に広い範囲で極めて甚大な被害が生じました。先ず以って、尊い命を落とされた方々に対して、衷心よりお悔やみを申しあげますとともに、被災された方々には、心からお見舞い申しあげます。

 現在、わが国では、被災地の早期復興に向けて、政・官・民が一体となって取り組んでおります。私も、この重要な局面で全銀協会長に就任した責任の重さを噛み締め、金融が果たすべき使命を全うすべく、全力を尽くしたいと考えております。

 社会のリスク・マネジメント意識の高まりとともに、これまで私たちが是としてきた様々な前提が揺らぎ、経済・社会構造が大きく変ろうとしています。この歴史的局面にあって、震災からの早期復興は、局地的な復元というだけではなく、わが国にとって、新たな飛躍に向けたスタートラインなのだと思います。まさに、今年度は、未曾有の国難を乗り越え、新しい日本、より強い日本を創り上げていくための「起点となる年」だと言えましょう。

 新生日本の創造に最大限貢献するため、全銀協は「3つの柱」の実現を目指します。

 第一の柱は「震災復興への貢献」です。全銀協では、被災地域における取引円滑化に万全を期すべく、鋭意対応しておりますが、引続き、復興に必要な資金の円滑な供給に努める等、精一杯努力して参ります。とくに、足元で喫緊の課題となっている二重ローン問題に対しては、国・債務者・金融機関の間の適切な負担割合や、公平性の観点等、難しい課題はありますが、官民一体となって、迅速に対応して参りたいと思います。

 第二の柱が「より安全・安心な金融取引環境創り」です。お客さまや社会のリスク・マネジメント意識の高まりに応えるべく、手形に代わる安全な決済手段を提供する"でんさいネット"のほか、セキュリティレベルを強化した"第六次全銀システム"等、新たなインフラ創りを進めます。また、金融ADRの機能強化や金融詐欺等への対応にも注力致します。

 第三の柱が「新たな法制度の枠組み創りへの対応」です。金融危機後、グローバルベースで金融規制が強化されているほか、国際財務報告基準(IFRS)の見直しや、会社法・民法(債権関係)の改正に係る議論も始まっています。全銀協は、新たな内外法制度が、金融仲介機能の一段の発揮に資するものとなるよう、その枠組み創りに積極的に参画していきたいと考えています。

 新生日本創造の「起点」となる局面で、重責をお引き受けすることになりました。全銀協は、その社会的使命を改めて強く自覚し、「3つの柱」の実現により、新生日本の創造に最大限貢献したいと考えております。私も、関係各位のご協力を仰ぎつつ、全力で取り組んで参る所存です。どうぞよろしくお願い申しあげます。