平成24年3月30日

一般社団法人全国銀行協会
会長 永易 克典

郵政民営化法改正案の国会提出について

 本日、民主、自民、公明の三党により、郵政民営化法改正案が衆議院へ共同提出されました。

 私どもはかねてより、郵貯事業改革の本来の目的は、国際的に類を見ない規模に肥大化した郵貯事業を段階的に縮小し、将来的な国民負担の発生懸念を減ずるとともに、民間市場への資金還流を通じて国民経済の健全な発展を促すことにあると主張してまいりました。したがって、郵政改革の議論が、一定の政府関与を残したまま金融事業の規模・業務範囲の拡大を指向する郵政改革関連法案を取下げ、現行の郵政民営化法の改正に方向転換することは本来の改革の目的に適ったものであると考えます。

 しかしながら今回の改正案では、金融2社株式の完全売却のスケジュールが明らかにされず、また、新規業務規制について「金融2社株式の1/2以上処分後は届出制」に移行するとされる等、極めて問題が大きいと考えております。

 本来、金融2社の新規業務規制は、経済・社会情勢、民営化の進捗等、全体状況を踏まえてそのあり方を判断すべきものですが、政府関与が残されたまま届出制に移行する場合には、金融2社の業務範囲拡大による民業圧迫の懸念がある上、民間との適正な競争が担保されないことが懸念されます。そのため、完全民営化までの間、金融2社の新規業務規制は少なくとも中立・公正な第三者機関による適正かつ厳格な審査を必要とする認可制を維持する必要があります。

 さらに、預入限度額に関して、協議内容では、「当面は引上げない」とされていますが、暗黙の政府保証が付された官業郵政の肥大化による民間の市場秩序の攪乱を防止するため、政府出資が残る期間は、その限度額を引き上げないことについて審議の中で明確にすべきと考えます。

 今後の法案に係る審議にあたっては、こうした点に十分留意した上で、政府出資が残る間、適正な競争条件が確保されないまま民間金融機関の業務を圧迫することのないよう、適切な制度設計を図って頂くよう強く要望します。