平成24年9月14日

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金融調査研究会

広報トピックス

金融調査研究会第1研究グループ報告書「アジア経済圏における金融・資本市場の発展に向けた課題とわが国金融機関が果たすべき役割」について(金融調査研究会)

 金融調査研究会(座長:貝塚啓明東京大学名誉教授・日本学士院会員)の第1研究グループ(主査:清水啓典一橋大学商学研究科特任教授)は、今般、標記報告書を取りまとめました。

 本研究会では、平成23年度において、「アジア経済圏における金融・資本市場の発展に向けた課題とわが国金融機関が果たすべき役割」を研究テーマとして取りあげ、検討を行いました。その成果は、提言として取りまとめ、平成24年3月9日にシンポジウムを開催するとともに、事務局である全国銀行協会ウェブサイトにおいて公表しております。
 本報告書は、同提言に加え、研究会の各メンバーが執筆した研究論文を収録し、アジア経済圏における金融・資本市場の発展に向けた課題とわが国金融機関が果たすべき役割を理論面から論じたものとなっています。本報告書に所収された論文は、研究グループのメンバー各人の責任で執筆されたものであり、執筆者の所属する機関の意見を反映したものでも、また、全国銀行協会の意見を表明したものでもありません。
 本研究会としては、この報告書が、本分野に関心を持つ企業関係者、研究者等、多くの方々にご活用いただけることを期待しています。

【本件に関するご照会先】
金融調査研究会事務局
一般社団法人全国銀行協会 金融調査部 藤澤、飛田
〒100-8216 東京都千代田区丸の内1-3-1
Tel.03-5252-3789
Fax.03-3214-3429

 

別紙

 

「アジア経済圏における金融・資本市場の発展に向けた課題とわが国金融機関が
果たすべき役割」の概要

提言 「アジア経済圏における金融・資本市場の発展に向けた課題とわが国金融機関が果たすべき役割」

 当研究会の提言として、平成24年3月12日に事務局である全国銀行協会ウェブサイトで公表したものを再録している。
 本提言では、成長するアジア地域全体の成長に資する観点から、それぞれわが国金融機関への提言、わが国政府等への提言、アジア各国政府への提言として課題がまとめられている。

 

第1章 アジア金融・資本市場の発展とわが国金融界の課題

(清水啓典 一橋大学大学院商学研究科特任教授)

 世界の経済構造変化と世界の成長センターとしてのアジアにおける金融・資本市場の発展を展望したうえで、わが国金融界の課題として、日銀の課題としてはデフレの脱却、監督当局には国際的視野と国家戦略を持った監督規制、官民の協力すべき課題としてはアジア決済システム高度化への対応、金融機関については現地化とソフト情報の活用、という4つの優先課題を取り上げて対応を促している。

 

第2章 東南アジア主要銀行の経営効率の変化と外資系銀行の特徴

(奥田英信 一橋大学大学院経済学研究科教授)

 東南アジア諸国の主要銀行について、経営効率に関する実証分析を行い、経営環境が大きく変化する中で、国別に特徴はあるがおおむね効率的な経営を行っており、バラツキが少なく安定的でショックに対する頑健性を備えているとしている。また、外資系銀行は収益性を重視する傾向にあるなどの興味深い計測結果が紹介されている。

 

第3章 構造改革後の韓国の金融市場と銀行経営の課題
~ガバナンス構造と人的資源問題を中心に~

(深川由起子 早稲田大学政治経済学術院教授)

 国内金融市場のインフラが十分に整備されないままに急速にグローバル化した韓国金融市場の現状と問題点を整理しており、課題として、金融危機後には社債市場よりも銀行の役割が増大したこと、財閥との関係で銀行のガバナンスのあり方および金融の専門人材不足の問題が指摘されている。

 

第4章 外銀のアジア進出と収益性、効率性について

(渡部和孝 慶應義塾大学商学部准教授)

 33カ国の商業銀行のデータにもとづき、外国銀行の収益性は国内銀行に比べて低く、合弁による進出の方が自前での進出より高い収益性が得られるため、邦銀がアジア進出を拡大する際には、自前での進出にこだわらず、合弁や買収といった進出方法を模索するべきとする結論を得ている。

 

第5章 ASEAN経済共同体を見据えたわが国金融機関の役割

 

(中川利香 東洋大学経済学部准教授)

 急速に一体化が進みつつあるASEAN諸国の経済動向を概観したうえで、邦銀の取り組むべきビジネスチャンスとして、中間層向け金融サービス、企業向け貿易関連サービス、証券関連ビジネス、インフラ整備資金調達、などの分野があることを指摘している。

 

(※ 肩書きは平成24年3月現在)

以上

 

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