2014年2月26日

一般社団法人全国銀行協会
会長 國部 毅

日本郵政株式会社による中期経営計画の公表について

 本日、日本郵政株式会社が「日本郵政グループ中期経営計画」を公表されました。

 今回の計画には、ゆうちょ銀行の完全民営化に向けた具体的な道筋が示されておらず、引き続き政府関与が残ることから、民間金融機関との公正な競争条件が確保されない状況が続くこととなります。かつ、認可申請中としながらも、主要施策として、融資業務の本体参入が盛り込まれています。

 私どもはかねてより、郵貯事業改革の本来の目的は、国際的に類を見ない規模に肥大化した郵貯事業を段階的に縮小し、将来的な国民負担の発生懸念を減ずるとともに、民間市場への資金還流を通じて、国民経済の健全な発展を促すことにあると主張してまいりました。まずは、この点をしっかり実行いただくことが重要だと考えております。

 その上で、ゆうちょ銀行が新規業務に参入するにあたっては、完全民営化への道筋が具体的に示され、その確実な実行が担保されるとともに、経営の抜本的な効率化と民間企業としての内部管理体制の整備を徹底することが、最低限必要であると考えております。

 郵政民営化法では「民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねる」「同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じる」といった理念が掲げられています。私どもとしては、関係当局および郵政民営化委員会において、こうした郵政民営化法の基本理念に則り、長期的な国益を十分に踏まえた深度ある審議・検討が行われ、今後、郵貯事業改革が本来の目的に沿って進められることを強く希望いたします。