平成27年4月17日

一般社団法人全国銀行協会
会長 佐藤  康博

「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」の公表について

 本日、「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」が公表されました。

 私どもはかねてより、郵貯事業改革の本来の目的は、国際的に類を見ない規模に肥大化した郵貯事業を段階的に縮小し、将来的な国民負担の発生懸念を減ずるとともに、民間市場への資金還流を通じて、国民経済の健全な発展を促すことにあると主張してまいりました。その実現のためには、郵貯事業を如何に円滑に既存の民間金融システムの中に融和していくかという観点や、地域との共存や地方創生への貢献という観点が重要と考えております。

 今回の意見書では、ゆうちょ銀行については、「従来のビジネスモデルを基本に、弱点を補強しつつ、リテールサービスの充実と安定的な経営の確立を目指す努力をしている」とし、「当面、新たな中期経営計画に掲げている項目に着実に取り組んでいくことを期待する」と指摘しているほか、「地域金融・経済に貢献する観点から、他の金融機関との「協業」を検討していくことは意義がある」としております。これらは、資産運用戦略の高度化や、営業戦略における役務手数料の拡大など、現在取扱いが可能な業務領域において、民間金融機関との対話や協働を促進しながら、取り組みを行っていくことの必要性について指摘したものだと理解しております。

 一方、意見書では、「当局とも対話を進め、段階的に業務範囲を広げていく必要もある」とされておりますが、ゆうちょ銀行が将来的に新規業務に参入するにあたっては、まずは完全民営化への道筋が具体的に示され、その確実な実行が担保されるとともに、経営の抜本的な効率化と民間企業としての内部管理体制の整備を徹底することが、最低限必要であり、個別業務ごとの新規参入の是非は、(1)公正な競争条件の確保、(2)適正な規模への縮小、(3)利用者保護、(4)地域との共存等を総合的に検討し、その可否を判断する必要があると考えております。

 郵政民営化法においては、「民間に委ねることが可能なものはできる限りこれに委ねる」「同種の業務を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じる」といった理念が掲げられています。私どもとしては、こうした郵政民営化法の基本理念や郵政民営化委員会の意見に則り、今後、郵貯事業改革が本来の目的に沿って進められることを強く希望いたします。