2017年6月15日

一般社団法人全国銀行協会
会長 平野 信行

「株式会社ゆうちょ銀行の新規業務に関する郵政民営化委員会の意見」について

 昨日(6月14日)、郵政民営化委員会から、内閣総理大臣(金融庁長官)および総務大臣に対して、株式会社ゆうちょ銀行の口座貸越による貸付業務等に関する郵政民営化委員会の意見が提出されました。

 私どもはかねてより、ゆうちょ銀行が新規業務に参入するに当たっては、まずは完全民営化への道筋が具体的に示され、その確実な実行が担保されることが最低限必要であり、そのうえで、個別業務ごとの新規参入の是非については、公正な競争条件の確保、利用者保護、地域との共存等の観点を総合的に検討し、その可否を判断する必要があると主張してまいりました。

 そうしたなか、郵政民営化委員会が提出した意見は、新規業務の調査審議における、(1)利用者利便の向上、(2)適正な競争関係、(3)業務遂行能力・業務運営態勢、(4)経営の健全性の確保、についての基本的な考え方を示し、業務を実施する場合の留意事項として、業務遂行能力・業務運営態勢の実効性の的確な確保と、口座貸越による貸付業務については利用者への分かりやすく丁寧な説明、利用者の適正な利用のサポート、必要な注意喚起を行う態勢の十分な確保が必要であることを指摘したうえで、ゆうちょ銀行の新規業務への参入を認めるものとなっています。

 これまでゆうちょ銀行と民間金融機関は、地域経済の活性化やお客さまの利便性向上のため、それぞれの機能や郵便局ネットワーク等を含めた経営基盤を活かしつつ、連携・協働を推進してまいりました。今後も、こうした連携・協働が加速し、地域経済の発展や、国民の安定的な資産形成に貢献できるよう、ゆうちょ銀行の新規業務への参入については、私どものこれまでの主張および郵政民営化委員会の意見を十分踏まえ、関係当局における慎重な審議・検討にもとづき、適切な判断が下されることを期待します。