2019年3月14日

一般社団法人全国銀行協会

全国銀行協会におけるSDGsの主な取組項目の見直しについて

 一般社団法人全国銀行協会(会長:藤原弘治 みずほ銀行取締役頭取)は、本日開催の理事会において、銀行界を取り巻く環境変化等を踏まえ、「SDGsの主な取組項目」(2018年10月18日改定)の見直しを行いましたので、お知らせいたします。
 

1.取組項目見直しの背景・趣旨

  • 2018年度は、SDGs/ESGに関する会員アンケートの実施や、融資ポリシー・TCFD提言に関する調査報告書、SDGsシンポジウムの開催、SDGsレポートの創刊など会員銀行の意識を高める活動に注力した。
  • パリ協定の発効、TCFD提言など気候変動問題へのさらなる意識の高まり、金融審議会「市場ワーキング・グループ」における高齢社会における金融サービスのあり方に係る検討など、社会的課題解決に向けて銀行界に期待される役割・責任はますます大きなものになっており、銀行界の取組みを一層強化していくことが必要である。
  • こうした背景等を踏まえ、当協会のSDGsの主な取組項目(2018年10月18日改定)について必要な見直しを行い、2019年度の取組項目として、社会的な課題の解決に向けて銀行界の取組みを一層強化していくこととする。

 

2.具体的な取組項目(大項目に記載の目標は、SDGsの17目標)

※見直し後の変更箇所は下線部のとおり。

課題(大項目)
課題(中項目) 2019年度の具体的な取組み
1.会員銀行の取組み状況の把握、融資ポリシーの策定に係る各種サポートの実施(共通)
【主担当:SDGs/ESG推進検討部会】
(1)全銀協としての取組み状況の整理・確認(SDGs/ESGに関するアンケート等)
  • SDGs/ESGに関するアンケート等の実施による会員行の取組み状況の把握
  • 「全銀協SDGsレポート2019」の作成・公表
(2)融資ポリシー策定に関する研究・調査等
  • 環境、人権等に関する融資ポリシー策定に関する国内外の事例等の研究、調査等を実施
2.金融経済教育の推進・拡大(目標〔4〕)
【主担当:SDGs/ESG推進検討部会】
金融経済教育の推進・拡大
  • 金融経済教育に係るアンケートの実施による会員行の取組み状況の把握、公表
  • 金融経済教育アプリやウェブサイトを通じた若年層に対する活動の強化(マス広告の実施)
  • どこでも出張講座の継続実施
  • 子どもの貧困問題等の解決にも資する会員銀行の取組みの事例の還元、金融経済教育のモデル事例の検討、勉強会の実施等
3.決済高度化、FinTech等を通じた顧客利便性・安全性向上に資する取組み(目標〔9〕)
【主担当:決済高度化検討部会、税・公金収納効率化検討部会】
(1)XML電文への移行
  • 全銀EDIシステムの認知度向上、金融EDIの利用促進に向けた活動の実施
(2)全銀システム稼動時間拡大
  • モアタイムシステムの利用促進に向けた活動の実施等
(3)オープンAPI推進
  • 「オープンAPIのあり方に関する検討会」における成果物に対する更新検討
  • オープンAPIの導入に関する金融機関における取組みの実態把握と必要に応じた会員銀行への情報提供
(4)手形・小切手機能の電子化に向けた取組みの推進
  • 手形・小切手機能の電子化状況のモニタリングの実施等
  • 手形・小切手機能の電子化に係る周知・広報等の実施
(5)税・公金収納・支払の効率化の検討
  • 税・公金収納・支払の効率化に向けた周知・広報等活動の実施や、その他必要な活動の検討等
4.TCFD提言、および炭素社会の実現等に向けた環境問題についての研究、対応(目標〔12〕、〔13〕、〔14〕
【主担当:SDGs/ESG推進検討部会】
(1)TCFDの提言を受けた取組みに関する調査
  • TCFD提言等に関する国内外の動向を踏まえた会員銀行への情報提供等の実施
(2)気候変動問題等、環境問題に関する取組みの実施
  • 低炭素社会実行計画および循環型社会形成自主行動計画に関するフォローアップ調査の継続実施(会員行の電力使用原単位、再生紙および環境配慮型用紙購入率、紙のリサイクル率)
  • 長期の温暖化対策に関する会員銀行の取組み状況の把握および支援
  • プラスチック関連目標に関する会員銀行の取組み状況の把握等
  • エコ壁新聞コンクールの継続実施
5.金融犯罪およびマネー・ローンダリング、FATFへの対応(目標〔16〕)
【主担当:金融犯罪対応等検討部会、マネー・ローンダリング問題検討部会】
(1)金融犯罪防止に向けた取組み
  • 「インターネット・バンキングのセキュリティ対策に関するアンケート調査」の継続実施
  • 振り込め詐欺等撲滅に向けた啓発活動の継続実施
(2)FATF第4次審査への対応
  • FATF第4次相互審査対応
  • AML/CFT対策支援室を通じた会員銀行の態勢整備支援
  • マネロン高度化官民連絡会等を通じた官民連携の強化
  • 新しい顧客管理措置の開始に係る顧客向け広報活動の実施
6.ジェンダー平等の推進、人権に関する対応(目標〔5〕、〔10〕)
【主担当:人権・同和問題検討部会、SDGs/ESG推進検討部会】
ジェンダー平等の推進等、人権に関する対応
  • 人権講演会の開催、人権啓発標語の募集、表彰
  • 人権研修テキストの作成、人権関係情報の会員銀行への発信等
  • 障がい者対応等に向けた取組みに関するアンケート調査の継続実施、公表
  • 各会員銀行の取組み事例の展開等
7.地域経済の活性化、地方創生への取組み(目標〔8〕)
【主担当:融資業務態勢検討部会】
地方創生の取組み推進
  • 各会員銀行の取組み事例の調査および対外的な情報発信の実施
  • 「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」等を通じた情報収集および会員銀行への必要な情報還元等の実施
8.高齢者等さまざまな利用者に対する金融アクセス・サービスの拡充等(目標〔8〕)
【主担当: SDGs/ESG推進検討部会、金融関連業法・公的金融問題検討部会、人権・同和問題検討部会、預金等事務取扱検討部会】
高齢者等さまざまな利用者に対する金融アクセス・サービスの拡充等に向けた取組みの推進
  • 認知症サポーター養成講座の継続実施
  • 関連するテーマの講演会の開催等
  • 資産寿命延伸や成年後見制度等に関する高齢者向けの金融リテラシー教材の制作、および周知活動の実施
  • 金融審議会(市場ワーキング・グループ)等、関係省庁等での高齢社会における金融サービスのあり方の検討に対する意見発信および会員銀行への情報提供
  • コミュニケーションボードの一層の多言語化の実施等

【本件照会先】
パブリック・リレーション部広報室 岩永、宮田 Tel.03-6262-6728