中小企業金融等への取組みに関する申し合わせについて

　一般社団法人全国銀行協会（会長：半沢淳一　三菱UFJ銀行頭取）は、理事会において、中小企業等の資金需要に柔軟かつ積極的に対応し、中小企業金融等の取組みに全力をあげるよう、以下のとおり申し合わせを行いましたので、ご連絡申しあげます。

中小企業金融等への取組みについて

　わが国の足元の経済状況を見ると、「失われた30年」と称された長期停滞から抜け出し、自律的・持続的な成長軌道への回帰を目指す動きが随所に見られる。一方、物価高や人手不足に加え、米国関税政策による中長期的な影響も懸念されるなど、中小企業を中心に未だに厳しい経営状況にある事業者も多く、倒産件数も増加傾向が続いている。
　このような中、政府は、地域の持続的な発展に向けて、地域経済に貢献する力（＝「地域金融力」）のさらなる発揮を推進する方針を打ち出しており、地域金融力の担い手として期待される地域金融機関等が、その役割を十分に発揮できるよう、環境整備に向けた検討が進められている。こうした政策の流れの中で、銀行界においては、引き続き事業者に寄り添った、きめ細やかな資金繰り支援に注力しつつ、事業計画の策定、DX、販路拡大、M＆Aなど、事業者の収益力強化を後押しする、多面的な支援が期待されている。
　そのために、常日頃から事業者との丁寧かつ継続的な対話を通じて経営課題を見極め、官民の様々な支援機関や専門家とも連携しながら、金融・非金融両面から、事業者の実情に応じた課題解決支援に注力していく。
　とりわけ年末に向けては、企業等の資金需要が高まることに伴い、企業金融が逼迫しやすくなる時期である。私ども銀行界は、わが国経済に生じつつある好ましい動きを加速させ、自律的・持続的な成長軌道への回帰を目指して、引き続き、中小企業等の多様な経営課題に応じたきめ細かな支援を徹底し、金融仲介機能の発揮に全力をあげて取り組むことを申し合わせる。