2004年1月27日

三木会長記者会見(東京三菱銀行頭取)

斉藤理事報告

 まず、事務局から1点報告する。
 本日の理事会では、銀行持株会社会員として、三井トラスト・ホールディングス株式会社の、4月1日からの加入を承認した。
 銀行持株会社会員の加入は、一昨年の10月に加入した三菱東京フィナンシャル・グループに次いで、2件目である。 


会長記者会見の模様


 昨日、金融機関相互のATM取引を中継する「統合ATMシステム」の不具合により、全行のATMで他行のカードが使用しにくい、乃至使用できないという状況が発生し、お客様にご迷惑をお掛けすることとなった。
 「統合ATMシステム」は「全銀システム」とは違い、全銀協が所管・運営するものではないが、まず、ATM障害によりお客様にご迷惑をお掛けしたことを、この場をお借りしてお詫び申しあげる。
 障害発生以降、全金融業態の代表で構成される「統合ATM利用者組織」より同システムを開発、運営しているNTTデータに対して早急な原因究明と対策の実施、再発防止を申し入れた。私からも直接NTTデータの浜口社長に強くお願いした。
 原因は「通信制御に関するプログラムの不具合」であり、本日のサービス開始時間までにプログラムの修正を行い、現在までのところ正常に稼動しているとの報告を受けている。
 お客様に再びご迷惑をお掛けすることのないよう、銀行界としても統合ATMシステムの管理・運営についてこれまで以上に万全を期していきたいと考えている。
 申しあげたいことは以上であるが、一点ご連絡をしておきたい。2月3日に、銀行会館において、全銀協の主催、金融10団体の共催、経済3団体の協賛で、公的金融問題フォーラムを開催する。
 春に予定されている郵政民営化の中間報告に向け、経済財政諮問会議や郵政民営化連絡協議会における政府の検討もいよいよ本格化してくるほか、自民党においても、「郵政事業改革に関する特命委員会」が発足することが報じられるなど、郵政民営化を巡る議論が広範かつ活発に展開されようとしている。こうしたタイミングで、公的金融問題フォーラムを開催することは、意義があるのではないかと思っている。
 フォーラムにおいては、まず私と生命保険協会の森田会長から基調報告をさせていただき、引き続いて21世紀政策研究所の田中理事長をコーディネーターとしてパネルディスカッションを行うこととしている。田中理事長のほか、伊藤忠商事の丹羽社長、日本総研の翁主席研究員、生活経済ジャーナリストの高橋さんにパネリストとしてご出席いただく予定である。経営者、有識者、消費者の代表として、様々な観点から貴重なご意見をいただくことで、充実したフォーラムとなることを期待している。より有意義なフォーラムにするために、ここにお集まりの皆様にも、是非ご参加いただければと思っている。


(問)
 景気の現状認識と今年の景気見通しについてうかがいたい。とりわけ、円高ドル安が続く外国為替市場の動向が景気・経済に与える影響についても併せてうかがいたい。
(答)
 わが国の景気は回復傾向にあると思う。輸出・生産は海外の経済が非常に好調であることを受け拡大している。そのため設備投資も増加しており、政府の月例経済報告でも「着実に回復している」という表現を使っている。ただ、企業部門と家計部門、製造業と非製造業、大企業と中小企業、中央と地方、そういったところで大分温度差があるという感じはあるが、それにしても総じて景気は回復の基調にあり、明るいムードが出てきていると考えている。
 先行きについては、やはり米国やアジア、特に中国を中心に世界経済の順調な回復が持続すると思われる。そういうことで輸出を起点とした景気回復が続くであろうと思う。ただし、個人消費への波及は限られるのではないかと思う。これは雇用調整の問題や国民負担の増加懸念があるので、企業の好調がなかなか個人消費の拡大に結びつかないということであり、やはり海外頼りということになる。そうなると、日本の景気が自律回復に向かうのかどうかが今年のポイントであろうかと思う。つまり「自律回復に向けた岐路」、必ずしも先行きが非常に安心ということではないと思う。
 ドルの影響についてであるが、確かに円高が進んでおり、それが企業を直撃している。輸出企業が全体を引っ張っており、そういう中で円高は懸念されるわけであるが、企業の方も、まず①今のところ海外景気が良いので輸出量が増えている、円高分を量でカバーできるということが一つ、②ユーロの方が、円高ではなくむしろユーロ高なので、ヨーロッパへの輸出もかなりあり、ドル安をユーロ高でカバーできるということ、③今年度の為替予約は大体皆済んでいるということであり、今程度であれば直ちに景気に大きなマイナスがあるということはないかと思う。ただ、105円までの対策は皆さん色々とやっていると思うので、 105円を割り込んでそれが続くようなことになると、来期以降影響が出てくるのではないかと思っている。


(問)
 マネーサプライの伸び悩みを問題視する声が政府内で高まっているが、銀行貸出の低迷が一因に挙げられていることについて、どのように受け止めているか。また、政府や日銀に対して求めることはあるか。
(答)
 確かにマネーサプライと銀行貸出は表裏一体だと思う。マネーサプライの伸び悩みというのは銀行貸出が伸びない、あるいは減少することと密接に関係があることは確かだと思う。
 銀行貸出が何故伸びないかというと、これは資金需要が弱いということだと思う。また、企業のバランスシート圧縮の動きもある。先程申しあげたとおり設備投資意欲は出てきているが、バランスシートを綺麗にするため、借入をせずに自己資金で対応する傾向が強い。また返済圧力も強く、一所懸命貸出を増やそうとしているがなかなか増えない状況にある。
 ご承知のように各行とも中小企業に対する無担保融資を積極的に行うなど新たな取り組みにより、貸出を増やそうとしているが、一方で返済や不良債権処理による貸出の減少があり、貸出残高は増えないということである。
 マネーサプライが増えないということは貸出が伸びないということとほぼ表裏一体だと思うが、これが増えていくためにはやはり景気そのものが回復して力強いものとなっていくことが必要である。政府にはデフレの克服に向けた施策をお願いしたい。具体的には規制改革や特殊法人改革などの構造改革を実施することで、デフレ対策に取り組んでいただきたいと考えている。


(問)
 保険商品の銀行窓口販売の全面解禁に向けた議論について、保険業界から引き続き強い反対の声が上がっているが、銀行業界はどのように受け止めるか。
(答)
 お客様の期待・要望・ニーズといったものがまずスタートにある。金融機関はライフステージに応じた金融商品の提供を求められているし、ワンストップ・ショッピングへのニーズというか、色々なことが銀行の窓口で足せたらということがある。しかしながら銀行の窓口で扱える保険商品は、個人年金保険などごく一部に限定されている。
 一方、既に取扱いが認められた個人年金保険は銀行の窓口でよく売れている。販売額はこの1年間で1兆7千億円と言われており、シェアも相当な水準だと思う。
 やはり銀行窓口で保険を売ることが、お客様のニーズに合致し、また保険全体も増えることにつながることから、広く認めていただきたいと思っている。
 当然ながら、銀行は保険の資格を取るとか、コンプライアンスに注意するなどのことは当然にしているし、そもそも保険の販売にあたり、生保会社の定める条件に沿った販売活動をしている。また保険会社の審査も受けたうえで保険を販売しており、リスクを保険会社に押しつけているというようなことはない。そういうことで、お客様のニーズに合致し、また保険会社の契約増大にもなるのではないかということでお願いしたいと考えている。


(問)
 新生銀行が2月13日に再上場される。新生銀行は、瑕疵担保特約条項を使って、かなり不良債権を減らした上での再上場になるが、こういった条件下の再上場をどのように見ているか。
 また、長銀には数兆円の公的資金が投入されている。一方で、現在株主になっているリップルウッドが、数千億円とも言われる上場益を手にするわけであるが、その点についてはどう考えるか。
(答)
 ご指摘のとおり、新生銀行が不良債権の処理を大体終えて、再上場するということになった。いろいろ今思うと、有利な条件で手に入れて、再建に成功されたという印象を持つが、中の処理をされて再上場すると言うことは、立派なことであると思う。
 二つ目の質問については、公的資金は引き続き入っているので、これについてはいずれきちんと返済してほしいと思う。


(問)
 大手銀行のリテール戦略についてうかがいたい。りそな銀行が4月からほぼ全店で窓口の終了時間を3時から5時に延長するということである。こうした流れが今後銀行業界に広がるのか、東京三菱銀行としてはどうか、についてお聞きしたい。
(答)
 どういう形で出てくるかは別として、このような動きはいろいろな面で広がるのではないかと思う。今年が銀行界にとってどういう年かということを考えると、一つは、不良債権の集中処理の最終期限であるので、きっちり半減して不良債権問題から脱却しなくてはならないということである。もう一つは、既に昨年度、あるいはこの9月期までに不良債権処理のピークは越えているので、各行がしのぎを削る前向きの新しい競争が展開されるであろうということである。その時、競争が一番顕著に現れるのがリテール分野であり、どういう前向きの戦略を打つか、どういう新しい商品、サービスを出すかが問われる。今お話のあった営業時間の延長もあるが、土日の相談受付の拡大や銀行によっては24時間のATM稼働ということもあったし、一方で大型店舗を整理しながら小型店舗は増やしていくということもあるかと思う。いろいろな形でそれぞれ工夫を凝らしながらサービスの向上に努めていくことになる。
 東京三菱銀行については、まだいろいろ考えているところである。その辺も含めて、2月4日にMTFGの連結事業運営に関するカンファレンスを開催するので、詳しくはその時にお聞きいただきたい。例えば店舗の統合整理は大体終ってきたので、これからはお客さまにより一層サービスを提供できるような店舗展開をしていくことを考えている。加えて、今までと違ったサービスを提供できるように、一つの店舗の中に銀行と信託と証券を併設したMTFGプラザを所沢に設置する予定だが、こういったものを増やしていくことやその他にもいろいろ考えている。


(問)
 統合ATMネットワークについてうかがいたい。統合されて以来、トラブルが相次いでいるが、準備不足はなかったのか、また、今後の再発防止に向けての取組みは如何か。
 また、政治献金について、業界としてまたは東京三菱銀行として再開する考えがあるか、うかがいたい。
(答)
 先ほどお話したように、この統合ATMはNTTデータがシステムの開発や運営責任を負っており、銀行はそのシステムを利用する立場であるが、本当の利用者はもちろんお客様であるので、そこは金融機関が利用者組織を組成して、サービスの運営等に関するチェックを行っている。開発に際しては、相応の時間を費やし、システム開発要件の提供も行い、また、相当回数の運転試験もやってきた。大変残念なことに昨日はあのような形になった。今後は、引き続きよくNTTデータと協議し、またモニタリングを実施し、お客様にご迷惑のかからないようにしていかなければならないと考える。
 この統合ATMをなぜ導入したかというと、利用件数が非常に増えてきており、今後の増加により想定される処理能力不足への対応ということがある。また、各業態それぞれのシステムでやってきたので、その中での対応に難しいものが出てくるというようなこともあった。また、従来のやり方だと技術的な制約から画一的なサービスしか提供できなかったが、次の段階では、銀行が自分でこのようなサービスをしたいと思えばできる、いわば拡張性が加わることになる。例えば、他行カードでの振込み業務が今は同一業態間の銀行のみ可能であるが、拡張すれば他の銀行間でもできるようになる。また、相互の入金ができるとか、24 時間365日対応もやろうと思えばできるということもある。そのようなことを展望し、時間をかけ、試験も繰り返しながらやってきた。しかし、昨日のようなことが起こってしまったので、よくもう一度万全を期して参りたいと思っている。
 政治寄付については、日本経団連で政治寄付を提唱し、政治に関心に持つということ、透明性を確保した上で寄付するということは、社会的な企業の責務であるということが言われており、その考え方は私も分かる。しかし、その際の一つのキーワードは自主判断ということである。やはり金融業界は、現在、不良債権の集中処理期間の中にあり、金融システムの安定化に全力を挙げることこそまず要請された最大の課題であるので、現時点で寄付を行うことはなかなか辛いものがあると思っている。銀行協会として、寄付を各行に要請することはしない。各行の自主判断である。私ども自身についても、まだしばらく検討するという状況である。


(問)
 事件絡みで大変恐縮だが、偽造キャッシュカードによる現金の引出しの被害が相次いでいるが、この点に関して2、3うかがいたい。
 まず、協会として、この偽造キャッシュカードの被害についてどのような調査をして、現状をどう把握しているのか。発生時期であるとか、件数・金額、更には、そのうちいくらが補填されているのか。
 二つめは、仮に補填されていればという話であるが、キャッシュカードの場合、約款等を読むと暗証番号・パスワードを顧客が誕生日等を使用している場合に関しては、言い方は悪いが顧客のミスということで補填されていないケースがある。ところが、クレジットカードのほうでは、同じように誕生日をパスワードにしていても補填されているということなので、この辺について対応が違うのは、どういう判断によるのか教えていただきたい。
 最後に、いわゆるおれおれ詐欺であるとかそういった犯罪に使われる口座は、転売目的とか譲渡目的で口座が開設され、それが使われるケースが多いが、その点について協会でどのような対応を考えているか。
(答)
 確かに、偽造キャッシュカードの問題がこのところ浮上してきており、私どもとしても一所懸命に取り組まなければならない課題だと思っている。現在協会ではアンケート調査をやっており、平成12年度以降の件数・金額を調査しているところである。したがって、現状では数字を把握していないが、調査を実施しているので間もなくそういったことが分かるのではないかと思う。
 それから、補填の問題は色々なケースがあるので、それで対応していかなければならないと思うが、特に暗証番号等についてこれまでも折に触れて危険がないように注意喚起等もさせていただいている。その点も含めてお客様に過失がなかったかどうかが一つのポイントになると思う。カードの管理であるとか暗証番号の設定の仕方等について、お客様に責任がない場合は銀行が補填をしていくことにならざるを得ないのかと思っているが、色々なケースがあり、一概にはお答えしかねる。
 カード業界については、以前からこの偽造の問題があったことも関係あるかと思うが、金額制限があることもあるし、銀行と同じに考えていいのかどうか、この辺も今後の問題だと思う。
 いずれにしても、現在調査しており、被害の件数・金額が分かってくると思うので、ICカードとか生体認証とかそういうことも含め、このようなことが起こらないような対策をとっていきたいと思う。
 当面は、お客様におかれては、暗証番号やパスワードを、生年月日・電話番号・郵便番号などの分かりやすいものではない番号等に是非変えていただきたい。そのようにご注意願いたいと思っている。
 3番目の不正口座開設の問題については、各行色々対応していると思うが、私どもの銀行の例で申しあげると、そのためのチェックポイントというものを配り、新規のお客様については、これは状況判断しながらになるが、新規開設される理由などを色々質問させていただいている。これも状況によってであるが、端末を叩くと全店の口座の情報が確認できるので、そういったことも踏まえながら対応している。銀行により、それぞれ工夫を凝らしているところである。


(問)
 先ほどの政治献金の質問と重複するが、日本経団連が各党の政策を評価するという方式を導入して、この評価を明日発表する予定になっているかと思うが、この方式自体をどう評価しているか。
(答)
 確かに、寄付をするからにはどういう政策を掲げているか、またそれがどう実行されたかというところを評価することは重要なことだと思うので、こうした考え方はよく理解できる。
 ただ、色々と議論があったところであるが、評価したい項目は非常にたくさんあり、業界によっても違う。その中で日本経済全体ということであの10項目がまとめられた。日本経団連としての評価の取りまとめは、第1回を1月にやり、また年内にももう一回やると思うが、これは全体としてこういう評価をしましたということで、これを参考にして各社が寄付の額を決めるということである。こういうふうに決まりましたからその通りやって下さいということではないので、一つの考えられるやり方ではないかと思っている。


(問)
 郵政の民営化について1つ伺いたい。昨年に郵貯の改革案を示されたが、郵政3事業全体について、それぞれ事業ごとの採算とか、財務実態が明らかになっていないとか、あるいは郵便事業をどうやって維持していくのかという意見もあると思う。会長は郵貯の改革案を示されたが、あの改革案というのは郵政3事業全体を見たときにどういった位置付けであるとお考えか。
(答)
 昨年の12月24日にまとめた私どもの考え方は郵便貯金に関するものであり、皆さんご承知のように、このまま民営化すればいいというものではなく、やはり役割が終わったものは、新規は止めて縮小する必要がある。それから機能として活かすべきもの、国民に便利なものについては活かしていくということを申しあげた。これは郵貯の問題であるが、3事業全体について大きな考えとしてこうすべきだということは提言していない。
 ただ私どもは提言のなかで、3事業はそれぞれ分離すべきであるということを言っている。イメージとしてはやはり全国に広がっているのは郵便事業だと思っているので、この辺これからの議論になるわけだが、いわゆる郵貯の事業は、郵便局から場所を借りて営業することを考えている。3つに分離するが核は郵便事業、これが中心になって、そこが保有する郵便局の一角を郵貯事業を行う会社が借りるということで考えている。
 それからもう一つは簡保であるが、簡保については保険業界の提案があるが、簡保についても定額貯金同様に役割は終えたのではないかと。したがって新規取扱いは中止し、既存分についての支払事務だけを行っていくということを思っているが、これについても私どもの提言では触れてはいない。
 要は、郵便事業を一つの中心においてその中で郵便貯金業務を行い、またそれから保険の支払事務をやってはどうかと、大雑把にはそういうふうに考えている。


(問)
 先日、UFJ銀行と金融庁の検査をめぐる意見の対立があったような報道が流れている。個別のことは別として、金融界全体には特定の検査官または一部の検査官のやり方がちょっと違うのではないかとか、ひどいのではないかとか、濃淡が検査によってありすぎるのではないかとか、そういった声があちこちから聞こえてくるのだが、実際の現状はどうなのか。
(答)
 これはちょっと私は一緒に回っているわけではないので、何ともコメントしようがない。もちろん金融検査マニュアルに沿った検査が行われているわけであるが、人によっていろいろあろうかとは思う。それは別として、ご質問とちょっと違ってしまうかもしれないが、今、特別検査が入り、再建計画が十分かどうかについて検査官とのやりとりがある。この「再建計画検証チーム」が第三者の目でみて、再建計画を進めるための意見・相談をすること自体は、いいことではないかと思う。いろいろ伝えられているが、各銀行とも処理から再生に向け、一所懸命取り組んでいる。それは本当にみんな必死になってやっていると思う。そういうなかで「再建計画検証チーム」がいろいろな意見を第三者の目から述べ、銀行がそれを参考にするということは有意義だと思う。ただ、ご質問の趣旨の検査官によってどうのということは、私もマスコミの誌面では拝見しているが、実際のところはよく分からないし、コメントもできないので、ご勘弁いただきたい。


(問)
 昨年の中間決算段階で不良債権処理はだいたい終わった、ピークを越えたと各行そろって言っているが、本日、特別検査の入検通知があり、結局引き続き特別検査が必要だという認識を金融庁は持っている。この違いはどういうことか。
(答)
 特別検査が必要かどうかは金融庁のご判断であり、私どもがお願いするというものではない。そうではあるが、特別検査は大口貸出先について、問題のあるところに焦点を当てて検査をするものである。処理から再生へのなかで大口貸出先がきちっと再建できているかどうかは非常に大事なことだと思うので、当局としてはそれをウオッチしていきたいという認識でおられるのだと思う。