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気候変動問題とは?

気候変動問題を巡る状況

①国際的な動き

気候変動問題を巡る昨今の議論や対応が本格化した⼤きな契機はパリ協定です。

パリ協定は2015年12⽉のパリにおけるCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で採択され、2016年11⽉に発効し、2020年から運⽤が開始されました。

 

パリ協定では、次の⽬標を掲げています。

  • 世界の平均気温上昇を産業⾰命前に⽐べて2℃より⼗分低く保つとともに、1.5℃に抑える努⼒をする。
  • 今世紀後半には温室効果ガスの排出量と吸収量のネットゼロを⽬指す。

この⽬標を実現するために、パリ協定では先進国だけでなく、すべての締結国・地域が温室効果ガスの削減・抑制⽬標を定めることとなりました。

SDGsでも⽬標として制定

2015年9⽉の国連サミットにおいて採択されたSDGs(持続可能な開発⽬標)では、⽬標13として「気候変動およびその影響を軽減するための緊急対策を講じる」が掲げられています。

科学的知⾒からの指摘

科学的知⾒にもとづく研究も進んでおり、例えば、IPCC(国連・気候変動に関する政府間パネル)が2018 年10⽉に公表した「IPCC1.5℃特別報告書」では、1.5℃努⼒⽬標を達成するためには、2030年までに2010年⽐で温室効果ガスを約45%削減、2050年頃までにカーボンニュートラルを実現する必要があることが指摘されています。

世界125か国・1地域が2050年のカーボンニュートラルを宣⾔

昨今、世界的にカーボンニュートラルに向けた取組みが加速しています。2021年4⽉末時点では、世界の125か国・1地域が2050年までのカーボンニュートラルを表明しています。

わが国では、2020年10⽉に政府が2050年のカーボンニュートラルを宣⾔しました。また、2021年4⽉には野⼼的な⽬標として 2030年度の温室効果ガス排出量の2013年度⽐46%削減、さらに50%削減の⾼みに向けて挑戦を続けることを表明しました。

2030年までを「決定的な10年」に

2021年10⽉に開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)では、2030年までを「決定的な10年」(critical decade)と位置付け、今世紀半ばのカーボンニュートラルとその経過点である2030年に向けて野⼼的な気候変動対策を締約国に求める「グラスゴー気候合意」が採択されました。

2022年11月に開催されたCOP27では、「グラスゴー気候合意」の内容を踏襲しつつ、締約国に気候変動対策の各分野におけるさらなる取組みの強化を求める「シャルム・エル・シェイク実施計画」が採択されました。
2023年11~12月に開催されたCOP28では、パリ協定の目標達成に向けた進捗評価(グローバル・ストックテイク)が実施され、1.5℃目標達成のための緊急的な行動の必要性や、2025年までの排出量のピークアウト、全ガス・全セクターを対象とした排出削減、各国ごとに異なる道筋を考慮した分野別貢献が採択されました。

こうした動きを受けて、各国においては、さらなる取組みの加速が求められています。

②⽇本政府の取組み

世界各国において気候変動への取組みが進むなか、わが国においても、このグローバルな課題を解決するためだけではなく、国際競争⼒を維持・強化する観点からも、官⺠協働した取組みが重要となっています。
⽇本政府では、特に2020年10⽉の「2050年カーボンニュートラル宣⾔」以降、脱炭素に係るさまざまな政策を推進しています。

カーボンニュートラルの産業イメージ

カーボンニュートラルの広がり

「カーボンニュートラルに伴うグリーン成⻑戦略」を策定

産業政策の観点からは、2021年6⽉に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成⻑戦略」が策定されました。2050年カーボンニュートラルの実現には、エネルギーや産業部⾨の構造転換、⼤胆な投資によるイノベーションの創出といった取組みを⼤きく加速することが必要だと指摘しています。同戦略では、「経済と環境の好循環」につなげるための産業政策を定め、あらゆる政策(予算、税制、⾦融、規制改⾰・標準化、国際連携等)を総動員することにより、企業や産業の脱炭素化を推進していくこととしています。

[図]経済産業省HPより
https://www.meti.go.jp/press/2020/12/20201225012/20201225012.html

「地球温暖化対策計画」を閣議決定

2021年10⽉に閣議決定された「地球温暖化対策計画」では、2030年度の削減⽬標(2013年度⽐46%削減)の内訳として、産業部⾨は2013年度⽐38%の削減⽬標が掲げられています。

今後10年を見据えたロードマップの全体像

「GX実現に向けた基本方針」を閣議決定

2023年2月には、「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定されました。同基本方針は、脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の3つを同時に実現するべく、今後10年を見据えた取組みの方針を取りまとめています。

また、同基本方針を踏まえ、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律」(GX推進法)が2023年5月に成立し、6月に施行されました。2023年7月には、これらの政策を具体的に実行するために、GX推進法にもとづく「脱炭素成長型経済構造移行推進戦略」(GX推進戦略)が閣議決定されました。

[図]経済産業省HPより
https://www.meti.go.jp/press/2022/02/20230210002/20230210002.html

脱炭素化をいかに達成するか?

わが国では、企業や産業の脱炭素化を進めるうえで、再生可能エネルギー等のすでに脱炭素の水準(グリーン)にある事業への取組みに加えて、一足飛びの脱炭素化が難しい温室効果ガスの多排出産業を念頭に、着実な脱炭素化に向けた移行(トランジション)への取組みも重視されています。

温室効果ガスの多排出分野として、鉄鋼、化学、セメント、紙パルプ、電力、ガス、石油、自動車、海運、航空分野について、企業が脱炭素化の取組みを進めるに当たってのロードマップが策定されています。

より詳しく気候変動問題を巡る状況を知りたい場合は、「国内外の主な政策動向」や「お役⽴ちリンク集」に掲載している関係ウェブサイトをご覧ください。