平成28年6月10日(金)実施

 自分とお金との関わりを考える特別授業として、「シリーズ教材 お金のキホン」を活用した授業が実施されました。

 「高校卒業後の進路や、その先の人生設計について考えているか」、卒業を10ヶ月後に控えた3年生に向けた先生の質問から授業は始まりました。「専門知識を生かした仕事をしたい」、「就職後、お金を貯めて起業したい」など、近い将来について考え始めている生徒もいるようでした。
 そこで、一人暮らしにかかる費用、結婚するためにかかる費用など、資4Cライフイベントにかかるお金の目安で確認した後、高卒で就職した場合の生涯賃金はいくらになるか、生徒の考えを聞きました。生徒から「8,000万円」、「6,000万円」など予想してもらったところで、先生が用意した生涯賃金一覧表で、高卒で就職した正社員の平均的な生涯賃金は「1億6,000万円」くらいだということ、一方、非正規社員の場合には「5,700万円」くらいであり、正社員とは3倍近い開きがあることを知りました。進路指導の中で「安易に非正規社員という選択はしないように」と先生方が説明していた理由の一つが、この生涯賃金の差にあったということが理解できたようです。
 その後、近い未来のライフプラン、ライフイベントとその費用についてマナブとメグミのお金のキホンBOOKp4~6で詳しく確認しました。教育資金については、今現在高校3年生である生徒たちは、一生涯に係る教育資金のうちの3分の2程度は既に使われているということが先生から説明されました。そのほか、資6D各種専門学校の1年間の学費の目安で、専門学校の学費についても確認し、進学に必要な費用についても知ることができました。
 また、教育資金、住宅資金、老後資金は「人生の3大資金」と呼ばれ、人生の中でも多くの費用が必要になることから、計画を立てて早めに準備をすることが大切だと分かりました。
 働き始めてからの給与明細の見方についても確認していきました。
 マナブとメグミのお金のキホンBOOKp9の給与明細の例から、総支給額から税金や社会保険料が引かれ、手取り収入が決まるということが分かりました。給与全てが収入になると思っていた生徒もいたようで、税金や社会保険料がどれくらい引かれるのか興味を持って確認していました。

 次に、買い物をした時の代金の支払方法について考えていきました。
 「コンビニで商品を買った際、どのように支払いをしていますか」という先生の質問に、生徒から、「現金で払う」、「PASMOで払う」という答えが出ました。マナブとメグミのお金のキホンBOOKp19では、キャッシュレスでの買い物と、3つの支払いタイミングについて説明されています。マナブとメグミのお金のキホンBOOKp21,22のいろいろな決済方法も併せて確認しながら、「前払い」、「同時支払い」、「後払い」の仕組みについて理解していきました。また、先生からマナブとメグミのお金のキホンBOOKp25のポイントサービスの説明の中で、ポイントを貯めるために買い物をするという行動は本末転倒だとして注意が促されました。
 マナブとメグミのお金のキホンBOOKp27のキャッシュレスでの買い物の注意点では、「手元にお金がなくてもカードで買い物ができる」ため、お金を使った感覚になりにくいことから、使い過ぎないよう、現金を使う時以上に厳しく管理していく必要があることが分かりました。
 クレジットもローンと同じように「借金」です。マナブとメグミのお金のキホンBOOKp29で、ローンは主に高額のもの(家や自動車など)を購入する際に利用し、クレジットは主に少額のものを購入する際に利用することを確認しました。
 ローンやクレジットの利用状況は、個人信用情報機関に登録され、銀行やクレジット会社がローンやクレジットの申込者の信用状況を調査する際に利用されます。支払いが滞ってしまうと、その情報も登録されることになり、新たなローンやクレジットの申し込みができなくなる可能性があります。スマートフォンの支払いや、奨学金の返済も利用情報として登録されているので、くれぐれも支払の遅滞がないよう注意しないといけないことが分かりました。

 クレジットカードを使うと、手元に現金がなくても買い物ができます。これはカード会社が一時的に利用代金を立て替えているからです。マナブとメグミのお金のキホンBOOKp31と資22Aクレジットカードの使い方(店頭編)、資22Bクレジットカードの使い方(インターネット編)でこのことを確認した後、支払方法の種類とメリット・デメリットを考えていきました。マナブとメグミのお金のキホンBOOKp32,33では、一括払い、分割払い、リボルビング払いの仕組みと、それぞれのメリット・デメリットが分かります。資32A支払回数による支払総額の違いも併せて確認し、分割払いを選択する場合には、手数料の総額を意識して支払回数を設定すること、リボルビング払いを選択する場合には、毎月の支払額が一定なので返済計画が立てやすい反面、支払がいつ終わるのかが分かりにくいことにそれぞれ注意することが先生から伝えられました。

 最後に本時のまとめとしてマナブとメグミのお金のキホンBOOKp47,48で、お金を使うときに注意すべき5つのポイントを確認し、授業は終了となりました。