2013年11月14日

一般社団法人全国銀行協会

申し合わせ

中小企業金融等の円滑化への取組みについて

 わが国経済は、雇用・所得環境に改善の動きがみられる中で、個人消費が引き続き底堅く推移していること、低迷を続けてきた設備投資も企業収益が改善する中で非製造業を中心に持ち直しの動きがみられることなど、景気は緩やかに回復しつつあるものの、新興国経済をはじめとする海外景気の下振れ等がわが国経済に与える影響等については今後も留意する必要がある。

 このような状況のもと、本年10月1日に閣議決定された「経済政策パッケージ」では、デフレ脱却と経済再生に向けた道筋を確かなものとするため、例えば、企業収益の拡大が賃金の上昇や雇用の拡大につながり、消費の拡大や投資の増加を通じて更なる企業収益の拡大に結びつくという好循環を実現していく方針などが示されたところである。私ども民間金融機関としても、こうした方針を踏まえ、政府、日本銀行と引き続き緊密な連携を保ちつつ、わが国の経済成長を金融面からしっかりと下支えしていくことが期待されている。

 私ども民間金融機関は、これまでも金融の円滑化を最も重要な社会的使命と位置づけ、適切な金融仲介機能の発揮に努めてきた。また、本年5月には、金融円滑化法の期限到来後に銀行界が共有すべき理念を明確化するため、「中小企業者等に対する金融の円滑化に向けた行動指針」を改定し、銀行界全体として、改めて本指針の趣旨を踏まえ、中小企業に対する積極的かつ円滑な資金供給に努めてきたところである。

 今後、日本経済がデフレから脱却し、力強い成長を実現していくためにも、私ども民間金融機関は、「経済政策パッケージ」で示された主旨を踏まえつつ、例えば、賃上げや原材料費の価格上昇に伴う運転資金など、中小企業等の金融ニーズにはきめ細かく対応し、新規融資を含む積極的な資金供給に努めるとともに、外部機関等とも連携のうえ、税制をはじめとした各種公的支援策の活用も含め、個々の借手企業にとって最適なソリューションを提案するなどコンサルティング機能を発揮して、中小企業の経営改善・体質強化の支援に積極的かつきめ細やかに取り組んでいくことが重要である。

 とりわけ、これから年末に向けては、企業等の資金需要が高まることに伴い、企業金融が逼迫しやすくなる時期である。私ども民間金融機関は、この重要な時期に当たり、企業等の資金需要に柔軟かつ積極的に対応し、金融の円滑化に全力をあげて取り組むことを申し合わせる。