2023年3月30日

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一般社団法人全国銀行協会

全銀協TIBORを参照する相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)の公表について

 一般社団法人全国銀行協会(会長:半沢淳一 三菱UFJ銀行頭取)は、全銀協TIBOR(日本円TIBORおよびユーロ円TIBORの総称 ※1)を相対貸出の契約でご利用しているお客さまが、当該契約の頑健性等向上の観点から、円滑かつ効率的にフォールバック(※2)条項の導入手続き等を進めていくことができるよう、「相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)(TIBOR 編)」およびその解説(以下「参考例」といいます。)を森・濱田松本法律事務所の監修のもと作成し、公表しました。

 本参考例は、全銀協TIBOR運営機関が2023年3月15日に公表した「全銀協TIBORのフォールバックに係る論点に関する市中協議の結果(全銀協TIBOR運営機関ウェブサイト)」(※3)の整理内容を反映しているほか、金融庁が、同市中協議結果を受けて公表した「全銀協TIBOR参照契約へのフォールバック条項導入に向けた取組みを後押しする」旨のアナウンス(金融庁ウェブサイト)を踏まえ、作成したものです。

 具体的には、日本円TIBOR・ユーロ円TIBORのそれぞれについて、[1]ハードワイヤードアプローチ(※4)、[2]修正アプローチの2種の参考例を作成しているほか、両アプローチの内容を分かりやすく説明している解説により構成されています。また、当協会が日本円LIBOR参照契約への導入を念頭に作成・公表した「相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)」も参考としています。

 なお、個別案件で利用されるフォールバック条項は、契約当事者間で十分協議し、両者合意のうえで設けられる必要があります。本参考例は、そうした合意形成のプロセスの一助となるよう、あくまで一つのサンプルとして作成されたものです。

 当協会は、引き続き、お客さまにおける円滑な対応に資するよう、積極的に活動して参ります。

※1
全銀協TIBOR(Tokyo Interbank Offered Rate)は、全銀協TIBOR運営機関により算出・公表されており、融資やデリバティブなどの金融取引における金利決定に当たっての基準として、幅広く利用されている金利指標です。

※2
金利指標が恒久的に停止した場合等における対応のこと。

※3
本市中協議結果では、全銀協TIBORのフォールバックに係る主要論点(トリガー、フォールバック・レート、スプレッド調整)が整理されたほか、全銀協TIBORを参照する契約へのフォールバック条項の導入に係る考え方について、指標ごとに以下のとおり記述されています。

ユーロ円TIBORを参照する契約  ユーロ円TIBORは2024年12月末での恒久的な公表停止が検討されている(中略)ことを踏まえると、その利用者においては、同指標を参照する契約のうち、2024年12月末を超えて満期が到来するものについては、恒久的な公表停止に備える対応の選択肢の一つとして、速やかに、フォールバック条項の導入を検討すべきと考えられます。
日本円TIBORを参照する契約  日本円TIBORは、現時点で、恒久的な公表停止について何ら検討されておりませんが、契約の安定性・頑健性向上の観点から、同指標を参照する契約についても、フォールバック条項の導入を検討すべきと考えられます。
 ただし、市中協議(中略)に寄せられた意見では、残高および件数が非常に多く、かつ、何ら恒久的な公表停止が検討されていない日本円TIBORを参照する契約にフォールバック条項を導入する場合の実務負荷が指摘されていることを踏まえると、その利用者においては、例えば、まずは日本円TIBORを参照する「新規」契約から順次フォールバック条項を導入する等、実務的に対応可能なかたちで、対応を進めることが考えられます。


※4
ハードワイヤードアプローチの参考例のうち、ユーロ円TIBOR版については、全銀協TIBOR運営機関におけるユーロ円TIBORの恒久的な公表停止に係る議論の進展を踏まえ、2024年2月14日付で、内容を改訂しております。詳細は、2024年2月14日付「ユーロ円TIBORの恒久的な公表停止の可能性に係る相対貸出のフォールバック条項の参考例(サンプル)の改訂版の公表について」をご覧ください。