2018年3月15日

平野会長記者会見(三菱UFJフィナンシャル・グループ社長)

髙木専務理事報告

 事務局から5点ご報告申しあげる。
 まず、本日の理事会で決定した3点をご報告申しあげる。
 1点目は、お手元の資料のとおり、来年度以降における当協会のSDGs推進体制および主な取組みを決定した。日本の銀行界においてはこれまでもさまざまな取組みを行ってきたところであるが、SDGsに掲げられている課題に対する取組みをさらに強化するためにこれらを決定したものである。
 2点目は、銀行役職員の行動規範・倫理規範として定めている「行動憲章」の改定である。お手元の資料のとおり、今回の改定はSDGsやESGへの関心が高まるなか、持続可能な社会の実現や社会的課題の解決に向けた取組みや期待される役割等を明確化するために行ったものである。
 3点目は、クラスター弾の製造企業に対する与信を行わないことについての申し合わせである。全銀協は2010年10月にクラスター弾の製造を資金使途とする与信は国の内外を問わず行わないということを申し合わせているが、本日、お手元の資料のとおり、クラスター弾の製造を行っている企業に対する与信については、資金使途に関わらず、これを行わないことを申し合わせている。
 以上が本日の理事会にて決定した事項である。
 続いて、全銀協の金融経済教育活動の一環として、本日、無料のスマートフォンアプリをリリースした。本アプリは、人生の各ステージにおいて必要なお金の知識をクイズ形式で学ぶことができる内容となっており、全銀協のウェブサイト上のコンテンツと連携し、より発展的な学習にも対応している。
 最後に、全銀協をかたるフィッシングサイトに関する注意喚起である。先月もこの場でご報告を申しあげたが、また別のフィッシングサイトが確認されており、所要の対応を行った。同様の事案については、今後ともご注意を願いたい。
 以上、5点ご報告を申しあげた。ご質問等があれば、会見終了後、事務局にご照会いただきたい。

 

会長記者会見の模様


(問)
 全銀協会長として定例会見に臨むのは今日が最後になるが、この1年の総括を伺いたい。
(答)
 一言で申しあげれば、わが国の実体経済のファンダメンタルは堅調であり、とりわけ企業業績の好調さを実感した1年だったと思う。一方で、銀行界にとっては長期化する低金利の累積的な影響などもあり、一層厳しさの増す1年であった。そうしたなかで、銀行界としては強い危機感を持って、将来に向けた事業改革に正面から取り組まなければいけないことが明確になり、会員各行の対応も本格化してきた。
 全銀協は、今年度を、「日本の持続的成長の実現に貢献する1年」と位置付け、三つの柱を中心に活動してきたわけだが、総括すると、厳しい経営環境に立ち向かいながら、将来に向けての基礎や土台づくりを進めることができた1年だったのではないかと思う。
 少し細かく申しあげる。まず第1の柱、「日本の経済成長・成長戦略への一層の貢献」に関しては、長期安定的な資産形成の実現、質の高い金融仲介機能の発揮に向けて取り組んできた。各行が顧客本位の業務運営に係る取組みを進め、新たに制度がスタートしたつみたてNISAについては、普及・促進に向けた活動を行い、そして、経営者保証ガイドラインに関してはQ&Aの改定を実施した。
 また、銀行カードローンに関しては、各行が広告や審査のあり方等の見直しを進めるとともに、全銀協としても、各種調査や専用相談窓口の開設等、サポートをしてきた。さらに、SDGsに関しても、全銀協の推進体制、取組み項目を定めて行動憲章を改定した。その一つである金融経済教育に関しては、金融リテラシーの向上に貢献すべく、先ほどご報告のとおり、ライフプランを学ぶ若年層向けのスマホアプリを本日リリースした。
 次に、第2の柱、「IT技術の革新も踏まえた、顧客利便性の高く、安心・安全な金融インフラの整備・構築」に関しては、決済高度化に関する施策の推進によって、新たな金融インフラの土台づくりを進めてきた。オープンAPI、全銀EDIシステムのサービス開始に向けた対応、ブロックチェーン技術の実証実験の開始、そしてキャッシュレス化の促進につながる全銀システムの24時間365日稼動の準備も順調に進んでいる。加えて、社会的コストの削減を目指した手形・小切手の電子化に関する検討や、税・公金収納効率化の勉強会といった官民の取組みをリードしてきた。
 第3の柱、「公正・健全な金融システムの維持・進化」については、国際金融規制やマネロン対応の高度化に関する取組み等を進めた。バーゼルIIIの見直しでは、昨年12月に規制の不確実性が払拭されたわけだが、金融危機以降、短期間に同時進行で多くの規制がつくられたこともあり、今後は規制の複合的な影響の分析がより重要になってくると思っている。
 また、FATFの第4次審査への対応も含めて、マネロン対策のさらなる高度化が重要になっており、官民連絡会の立上げを通じた連携強化などを進めていきたいと考えている。
 さらに、足元では政策金融のあり方に関し、関係省庁、政府系金融機関と意見交換を開始している。深度ある相互理解にもとづいた官民の適切な役割分担を行うことで、中小企業支援や地方創生への貢献を果たしていきたいと考えている。また、郵政民営化委員会の3年検証が進んでおり、これに対しても必要な意見発信を行っていく。
 今後も厳しい経営環境が続くなかで、こうした基礎、土台を固めつつ、新たなビジネスモデルの構築など、事業改革に挑戦していかなければならないわけだが、金融事業の多様化が進むなかで、決済や資金供与といった機能に焦点を当てた金融制度スタディ・グループの議論も開始されている。これらに関しても積極的に関与していきたいと考えている。
 銀行業界の使命は、いつの時代にも揺ぎなく金融面からわが国経済の持続的成長を支えていくことにある。そのために必要な役割を協会としても会員行とともにしっかりと果たしていきたいと考えている。
(問)
 先月以降、世界的な株価の乱高下や円高ドル安の進行など、金融市場に変調が見られているが、今のマーケットの動きや先行きをどう評価しているか、実体経済への影響をどう見るか、この点を教えていただきたい。
(答)
 株価については、先月もご質問をいただき、相場の転換というよりも、調整的な側面が強いのではないかという私見を申しあげたが、この認識に変わりはない。また、足元の円高に関しては、年初からのアメリカの要人の為替をめぐる発言や日銀の出口戦略に関する思惑、さらには先月の株価の急落や今回の米国の保護主義的な動きなどを受けた、いわゆるリスク回避の動きの強まりなどを反映したものである。すなわち、円高というよりはむしろドル安要因によるものと見ている。為替相場は、基本的には2国間の金利差に沿って動く傾向が強いわけだが、米国以外での金融政策の正常化が進展するのに伴って、相対的にドルの優位性が後退していることに加えて、米国の貿易赤字の拡大、あるいは政策に対する懸念を受けて、市場でドル安の観測が高まっているという地合にあることは間違いないだろうと思う。
 先行きについては、かなり急速にドル安・円高が進んだことに加えて、日米の金融政策の方向性の違いを踏まえれば、この先一方的に円高が進行するような局面にはならないと見ている。ただ、米欧での金融緩和政策の正常化の動きを背景として、市場のボラティリティが非常に高くなりやすい、そういった環境下にあるなかで、中間選挙を控えたトランプ政権の動向次第では、思わぬ円高局面が来ないとも限らないという点には留意する必要があると見ている。
 ご質問のわが国の実体経済への影響だが、円高に関して言えば、もちろんこれは企業収益の重しとなるわけだが、よくよく見てみると、企業部門では非製造業のウエイトが上昇していることもあり、円高への抵抗力は高まっていると思う。それから、輸出に関する為替要因と、海外での需要要因の弾性値を比べると、近年の傾向は、わが国の輸出は高付加価値化や為替リスクヘッジの浸透などによって、為替相場との連動性は低下している。むしろ輸出先国、海外の需要に連動する傾向が強まっていると見ている。したがって、米国等の海外経済が仮に底堅い成長を続けるのであれば、国内の景気の失速につながるようなことにはならないのではないかと見ている。
(問)
 キャッシュレス化の動きとして、3メガがQRコード決済で規格を統一して連携していくことになった。3メガが足並みをそろえる理由とその効果、地銀との連携の動きなど今後の課題についても考えを伺いたい。
(答)
 以前にもこの場で何度か申しあげたが、決済のビジネスレイヤーは幾つかあり、私は大きく三つに分けて考えている。
 第1は、例えばCAFISといったネットワークであるとか取引台帳を含むインフラ領域。第2の領域としては、例えばQRコードであるとかNFCといった利用者と小売事業者の間のインターフェースの手法や、処理端末といったいわゆるプラットフォーム領域。そして、第3に利用者が使うクレジットカードやデビットカード、あるいはApple Payやウォレットといったアプリケーション等の商品サービス領域、この三つになると思う。このうち、利用者や小売事業者の観点から見ると、ユーザビリティの向上のために、例えばプラットフォーム領域におけるインターフェースの一つであるQRコードについては、決済事業者が協調して技術仕様を統一することは有効であると見ており、今般3メガが連携して検討しようということになったわけである。この3メガの連携においては、今ご指摘のあったような地域金融機関との連携であるとか、場合によっては他業態との連携に関する検討も含めて、詳細はこれからというところである。
 もう一つ、こうした決済業務に関して言うと、QRコードのようなインターフェースの仕様だけではなくて、それを活用するインフラ領域も、より効率的な仕組みをつくり出していくために、関係者間での協議や協調が必要なレイヤーであると思う。
 一方で、商品・サービス領域、すなわち一番上のレイヤーについては、個別金融機関が知恵を絞って、場合によっては他業態ともアライアンスを組みながら、魅力のある商品・サービスの開発、提供を競い合うのが望ましい姿ではないかと考えている。したがって、連携すべき領域、それからお互い競い合う領域を分けて考えた方がよいのではないかと思う。これは私見である。


(問)
 マネロン対策のさらなる高度化が重要だとのお話があったが、北朝鮮について伺いたい。北朝鮮という国家の活動は、国際的な制裁の対象になっているが、日本の金融機関においてはどのような対応がとられているか。また、日本から北朝鮮に対する資金の流れは完全に遮断されていると確信されているか。
(答)
 北朝鮮の問題は、日本の安全保障上、非常に重要な問題であるし、世界的にも大きなテーマになっている。ご質問があった日本の金融機関における備えは万全かということだが、一言で言えば、不断の努力が必要だということだと思う。ご承知のとおり、わが国のマネロン対策のさらなる高度化のために、本年2月に金融庁が「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」の案を取りまとめたところである。平成31年のFATF第4次審査を控え、私ども全銀協、そして会員行は、このガイドラインに示されている実際の体制整備を進めていく必要がある。これは銀行界にとって大変な作業であるのみならず、以前にも申しあげたが、お客さまからのご理解をいただく必要もある。いわゆるKYC(Know Your Customer)について申しあげると、マネー・ローンダリングに関してハイリスクに属するようなお客さまに対しては、銀行界は相当徹底したデューデリジェンスを行う必要があり、お客さまにとっても大変な負荷がかかる。したがって、これは金融機関とお客さまが協力しながら進めていかなければならない。
 全銀協としての取組みだが、金融庁とも協議をして、まず「マネロン対策高度化に関する官民連絡会」を設置し、開催に向けた準備を進めている。今後、マネロン対策に関する、本邦だけでなく海外の動向の情報交換など、官民一体となった連携の強化を図っていきたいと考えている。また、全銀協のブロックチェーンのプラットフォームを活用してKYCの実証実験を行っている。これは、KYCセンター(仮称)にKYCに関する情報を集めて、ブロックチェーン技術を使ってデータプールをつくろうという構想である。今は3メガ中心にやっているが、地域金融機関も含めてさまざまな金融機関が参加してくることが期待されよう。このように、銀行界としては、マネロン対策を進めるために、各行における自助、業界としての共助に取り組んでいきたいと考えている。


(問)
 2点伺いたい。まず、QRコードについて、3メガで連携して検討していこうということだが、今後実際に実用化するうえで、例えば規格を統一するにしても、新しい会社を設立する必要があるのか、またはシステムを管理する組織が必要なのか、具体的にどのようなアクションが必要になり得るのか教えてほしい。
 2点目、ゆうちょ銀行について、郵政民営化3年検証が進んでいるが、実際に資金シフトがそれほど起きていないことから、民営化委員会が通常貯金の限度額撤廃に動きそうな情勢である。その受止めについて、特に中小金融機関からの資金流出の懸念に対してどのように見ているか、および銀行界としてどのようなアクションをとろうとしているのかについてお伺いしたい。
(答)
 最初のQRコードに関して具体的にどのようなアクションをとるのかについてであるが、先ほども申しあげたとおり、今まさに3メガがテーブルに着いて、QRコードの規格の統一を行おうとしている。QRコードは、個社あるいは業界によってさまざまな規格が存在している。したがって、例えばQRコードを利用した支払いを行うためには、各小売事業者において、それぞれのQRコードに備えた設備を整える必要がある。さまざまな事業者が乱立した場合、非常に大きな負荷になることに加え、お客さまにおいても不便となるため、まずは規格を統一しようということである。我々としては、銀行業界におけるQRコードについて、統一したものができることが一番望ましい。
 その場合、先ほど会社をつくるのかという質問があった。これは、規格統一事業をやるわけだから、そうなると担い手が必要なことは確かだ。担い手が、会社の形態をとるのか、もしくは協議体のような形態をとるのかは、何も決まっていない。いずれにせよ、今後キャッシュレス化を推進していくうえで、インターフェースの領域が重要であることは間違いがないため、極力お客さま、あるいは小売事業者に対しても負荷が少なく、効率性の高い、さらにはローコストで柔軟性が高い決済の仕組みをつくっていく、その第1歩をQRコードの規格の統一から始めることだと理解いただければと思う。
 次にゆうちょ銀行については、ご指摘のとおり、現在3年目の見直しが進んでいる。これまでを少し振り返ると、ゆうちょ銀行と民間の金融機関や全銀協は、ATMの相互利用、ゆうちょ銀行の全銀システム接続、全銀協への特例会員としての加盟、ゆうちょ銀行による民間金融商品の販売、投資運用会社の共同設立、最近では地域活性化ファンドへの共同出資など、さまざまな連携・協働を進めてきた。このような取組みは、まさにゆうちょ銀行の利用者の皆さまの利便性を高め、ゆうちょ銀行と民間金融機関の共存共栄の実現を通じて地域経済の活性化に貢献しようという趣旨である。
 言い換えれば、これは私自身の長年の持論でもあるが、ゆうちょ銀行のユニバーサル・サービスを活用しつつ、民営化を通じてゆうちょ銀行を民間の金融システムに融和させていくという大きな構想の下に進められてきた取組みであり、そのような取組みを通じて、民間金融機関とゆうちょ銀行との相互信頼関係が着実に醸成されてきたと思う。
 しかし、通常貯金の限度額が撤廃された場合には、こうした大きな流れに支障をきたすことになると言わざるを得ない。具体的には、厳しい経営環境にある地域金融機関、なかんずく中小金融機関への潜在的な影響、すなわち金融機関の収益環境が悪化し、経営が不安定となる場合に、地域金融機関からゆうちょ銀行に預金がシフトするという、国際金融規制でよくunintended consequencesという言葉が使われるような、意図せざる結果を招きかねない。仮にそうした事態となれば、民間金融機関の経営に問題が生じて、ゆうちょ銀行と民間金融機関との協業の枠組みが崩れるのはもちろんのこと、仮に金融機関の破綻などにつながれば、地域経済に与える影響も大きいと思う。
 また、通常貯金は法人も利用可能であることを踏まえると、通常貯金を規制の対象外とすることは、そういった際の資金シフトを特に増大させる可能性がある。平成28年4月にゆうちょ銀行の預入限度額が1,300万円に引き上げられて以降、郵政民営化委員会のモニタリングでは、ゆうちょ銀行への資金シフトは生じていないとされている。確かに統計を見れば、民間金融機関とゆうちょ銀行の預金の伸び率に顕著な差はない。しかしながら、前回引上げの後、超低金利環境が続き、金融システムも足元で著変がないという点を踏まえると、この間の推移だけをもって今後も他の金融機関との競争環境に影響がないと判断するのは早計だと思う。
 ゆうちょ銀行については、完全民営化への道筋が依然示されていない。したがって、民間金融機関との間で、公正な競争条件の確保には至っていない。そうしたなかで、今述べたような限度額撤廃の潜在的な影響を十分に考慮して、委員会におかれては判断をしてほしい。
 さらに、すでに預貯金で2割もの市場シェアを日本国内で有するゆうちょ銀行は、外貨運用を進めるとともに、貯蓄から資産形成への流れに沿った投信販売を推進するなど、さまざまな努力を続けてきた。しかし、仮に限度額を撤廃して貯金残高のさらなる増加につながった場合、とりわけ現在のマイナス金利環境下では収益の圧迫要因となる。また、これを回避するために、外貨運用での資産運用を拡大させるとなると、さまざまな歪みを生じさせる懸念もある。さらには、今後の金利上昇局面において日本国債、外貨資産を問わず金利リスクが顕在化し、ひいては将来的な国民不安の発生にも繋がりかねないという、アセット・ライアビリティ・マネジメント上の問題もあると思う。
 したがって、限度額の議論に当たっては、以上申しあげたさまざまな観点からの慎重な検討が必要であり、全銀協としては限度額の規制を緩和すべきではないと考えており、必要な意見を述べていくつもりである。今後とも、郵政民営化という大きな方針が、本来の目的や理念に沿って進むように、総合的な検証が進められることを切に希望している。


(問)
 シェアハウスをめぐる問題で2点伺う。個別行の話題であるが、融資の多くがスルガ銀行で実施されているが、貯金であるとか年収、そういった資料の改ざんが相次いで発覚している。まず1点目としては、こういう改ざんされた資料を使った融資が、これほどまでに簡単に通ってしまうものなのか。原本確認をしなくてもよいのか。1億円という高額な融資が個人に対して行なわれているが、そういう場合に原本確認をしなくてよいのか伺いたい。
 2点目が、今回、融資の条件として、フリーローンを付けるといったケースがあるが、一般的に、融資の条件としてフリーローンを付けることはよくあることなのか。そういった融資の仕方に問題はないのかを伺いたい。
(答)
 個別の金融機関の事案であるので、直接の回答は差し控えたい。一般論で、答えられる範囲でお答えする。
 まず、シェアハウス投資というのは不動産貸出である。不動産貸出というのは、もともと長期にわたる与信であり、かつ個人のお客さまにとっては金額も大きくなることから、貸出金融機関においては、審査プロセスの中でお客さまの資産内容や収入の状況はもちろんのこと、長期的な視点で、不動産市場、賃貸市場の動向や当該案件の収支見通しなどを総合的に判断して、個々のお客さまにとって許容し得る事業リスクはどうかを判断すべきである。また、それを裏付けるために十分な資料を頂戴する、点検することも当然であり、それを怠ることがあってはいけないということだと思う。
 ただ、新しい事業領域に踏み出す場合には、問題が必ず付いて回ると思う。よほどよく練り上げられたビジネスモデルでも、落とし穴はあるもので、特に新しいビジネスを始める際には、事業の進捗状況をモニターしながら、事業の現場で実際に何が起こっているのか、課題があれば、早期にそれを是正するという基本を繰り返していくことしかないと思う。
 二つ目のフリーローンをセットで販売していることについてのご質問であるが、これもまた一概に申しあげるのは難しいと思う。確かに、住宅ローンをご利用いただくお客さまが、それに伴って家具を買う、あるいはその他のさまざまな生活資金に関する借入れの需要が出てきた場合に、それに対応できるような商品をご案内するということは、間違ったことではないと思う。
 これについては、まさに今申しあげたような運用の問題、すなわち、事業の現場で何が起こっているかをしっかり見ながら、もし問題があれば改善していくことが重要だと思っている。


(問)
 マネロン対策について二つ伺いたい。一つ目は、不適切な海外送金を回避するために、地銀とメガの間でどういう役割分担が必要なのか。一般的に地銀が窓口になって海外送金する場合、メガに業務委託して、メガがコルレス先に送金を行い、受取人に届くというケースがあると思うが、その場合、地銀、メガ何れも不適切な海外送金は止めなければいけないし、最終的には相手のコルレス先のリスク管理も必要だと思う。コルレス先は海外なので、一旦議論の外に置くとして、国内でこうした管理をするときに、地銀とメガはどう役割分担をしなければいけないのか、現状どういうご認識でいるのか、会長の考えを伺いたい。
 仮にメガに責任があるとして、メガは業務受託した海外送金を行わないというのは実務上難しいのではないかと感じているが、一方で、メガは地銀も含めてマネロン対策について情報共有をすべきという声もあって難しい問題なのではないかと思っている。
 二つ目は、FATFの第4次相互審査に向けて、金融機関はさまざまな取組みを本格化しているが、第3次審査の際は行政サイドの体制整備などにつき指摘がなされ、日本はブラックリスト入り寸前となったと理解している。これを踏まえて、民間の立場から官に対して体制整備などについての要望などがあったら教えてほしい。
(答)
 マネロンに関する二つのご質問、まず一つ目だが、地銀がメガを通して海外送金を行うことがある。この場合、地域金融機関がまず行うことは、地域金融機関としてのお客さま、すなわち送金依頼人などに対するKYCを確実に行うことである。次に、疑わしい取引に該当しないか等、モニタリングを行う。そして、サンクション、すなわち経済制裁のスクリーニングをしっかりと行うという、この3点を、マネロン対策の基本として、責任をもって対応するということである。
 マネー・ローンダリング対策は基本的にはゼロ・トレランスであるため、地域金融機関だから、あるいは事業規模が相対的に小さいから、その基準が緩くていいということにはならない。したがって、お客さまに接する地域金融機関はまず第一線として対応を行わなければならない。これは、二つ目にご質問のあったFATFに関する取組みにもなると思う。
 一方で、メガの役割だが、送金委託元である地域金融機関におけるマネー・ローンダリングに対する体制をデューデリジェンスすることが第一の責務である。
 ただ、先ほど申しあげた三つのなかで言うと、サンクション、経済制裁の対象になっている当事者かどうか、例えば北朝鮮の特定の事業会社または個人かどうかは、メガにおいてもスクリーニングは行っているわけだし、そこで該当があれば結果を地域金融機関に還元するなど、懸念点について照会をする。こうした対応は日本における地域金融機関とメガの間だけではなくて、国際的な取組みでもあると承知している。このように、何重かの防波堤を築いて、どこかでチェックできるようにしようということである。
 マネロン対策は、基本的にはゼロ・トレランスでそれぞれの金融機関が対応しなければならないと申しあげたが、他方でリスクベースのアプローチもある。すなわち、より大量の、より多額の、より広がりのある世界中と取引をしている金融機関と、そうではない金融機関であれば、確かに対応の仕方は違うかもしれない。この考え方を踏まえて、金融庁は今回のガイドラインのなかでも幾つかのレベルをセットしておられる。各金融機関のビジネスのリスクプロファイル、送金におけるリスクの度合いに応じて、どのようなレベルの体制整備をしなければいけないかということを、各行がより具体的に検討し、行動につなげていくことが大事だと思う。
 それから、2番目のご質問、官に対する要望だが、まずは、今回お出しいただいたガイドラインのようにルールセッティング、基準の設定を明確にすることだと思う。ガイドライン設定に当たってのパブコメでは全銀協としてもいろいろと意見を述べさせて頂いた。こうした民の意見も踏まえて、官においては、必要かつ現実的に実現可能なルールセッティングを引き続きやっていっていただきたい。
 次にマネロン等の対策は、ある意味で、ムービングターゲットである。例えばアンチテロリズム、テロリストに対する防止策を講じるのは9・11(セプテンバー・イレブン)から始まった。国際的な地政学リスクが高まるなかで、各国の要求は一層高くなり、また国によって基準も違う。そういった情報をいち早く民とも共有していただく、それによってレベルアップを民も図っていくということである。
 3番目だが、国際的な協働ができると本当は一番良いのだと思う。これは大変に難しいわけであり、例えばG20のなかで同じようなフレームワークが本当につくれるのかといえば、容易ではないかもしれない。ただ、例えばG7で検討するという考え方はあるかもしれない。実際、シンガポールでは、マネー・ローンダリングに関する官民の取組みが始まっている。個別行の話になるが、三菱東京UFJ銀行もブロックチェーン技術を使ったKYCのプラットフォーム構築について、シンガポール政府やシンガポールの金融機関と協働している。そこでは、シンガポールだけではなくて、他の法域の規制もうまく取り込んで、より大きな広がりのあるプラットフォームができれば良いのではないかと提案している。こうした取組みは、やや難易度が高いが、いずれはそうした水準まで持っていければ、これがベストだと思っている。


(問)
 世界的に見て、資産運用会社の運用資産が銀行の総資産に匹敵するほどに増加しているが、中長期的に銀行グループの戦略に及ぼす影響について教えていただきたい。
(答)
 世界経済の成熟に伴い、金融資産の蓄積が各国で進んでいる。それに加えて、いわゆるディスインターミディエーションが進むなかで、世界の運用資産が増えるだけではなく、まさに資産運用会社の預かり資産が増えている。アセット・アンダー・マネジメント(AUM)は増加を続けており、2016年の数字で80兆ドルを超えたと言われている。ご指摘のとおり、これは世界トップ100の金融機関の総資産に匹敵する大きな金額になっている。それに伴い、資産運用会社、いわゆるアセット・マネジャーの金融市場における発言力、影響力が増していることは事実だと思う。
 一方で、足元では競争が激化しており、またアクティブからパッシブへのシフトが起こっているため、運用報酬はかなり急速に下がっている。したがって、粗利の成長は鈍化していることもあり、このところグローバルな資産運用会社の間で、規模の利益や事業ポートフォリオの補完のためのM&A、あるいは再編が起こってきている。これが現状だと思う。
 資産運用事業は資本負荷が低いビジネスである。したがって、各金融グループはバーゼルIIIの規制で資本規制が強まるなかで、今申しあげたようなトレンドも踏まえてどのような市場を対象にするのか、国内かグローバルか、あるいは事業領域、すなわち引き続きアクティブで頑張るのかパッシブで規模を取るのか、オーガニックで行くのかインオーガニックで行くのか、投資規模をどの程度まで膨らませるのか、さらには、特に総合金融グループでは資産運用事業をグループ内においてどのような位置付けとするかも重要であり、そのような多面的な観点からその戦略を構築していく必要があると思う。
 一方、資産運用会社を顧客として見れば、為替、金利等の市場金融商品のセールス、カストディや事務管理を行うインベスターサービス、資産運用会社に対する貸付、いわゆるファンドファイナンスの巨大なユーザーでもある。併せて、最近は資産運用会社の事業領域も拡大しており、プライベート・エクイティや融資にも参入してきていることから、有力なビジネスパートナーにもなり得る。
 まとめると、今後の金融において、資産運用事業および資産運用会社がますます重要性を増してくることは確実であり、各金融グループにおいては戦略的な対応が必要になると思う。


(問)
 2点お願いしたい。まず1点目だが、先ほどゆうちょ銀行の限度額撤廃のお話があった。主に地域金融機関への影響のお話が中心だったかと思うが、メガバンクの経営には、どのような影響をもたらすとお考えか。
(答)
 先ほども少し申しあげたが、ゆうちょ銀行というのはわが国の市場において、預金シェア20%、世界の預金残高ランキングでは四つの中国の銀行につぎ第5位と先進国では最大の預金金融機関である。そうした金融機関が日本の国内に存在するということは、先ほども申しあげたとおり、その動向、戦略次第では、金融システムに与える影響は極めて大きいということである。
 仮に金融システムが揺らぐことがあれば、それはメガバンクであっても地域金融機関であっても同じことである。要は金融システムというものはさまざまなプレーヤーがそれぞれの役割を果たしながら地域の経済、国の経済を支えているわけであり、そういった一員としての行動を私どもは強く求めている。
 全銀協は、金融システムのなかにゆうちょ銀行を民営化を通していかに溶け込ませるかということをこれまでもやってきたわけであり、その点では、金融システムの一翼を担うメガバンクにとっても極めて重要な関心があるテーマだということである。
(問)
 2点目、先ほどもQRコードのお話があったが、NFC、FeliCaがこれだけ広く普及している日本においては、個人間送金で使えれば極めて便利だとは思うが、平野会長ご自身がこのQRコードという決済の仕組みについてどのような可能性を感じているのか、グローバルスタンダードになっていくのか、可能性についてお聞かせいただきたい。
(答)
 QRコードは皆さまご存知のとおりで、これはメイドインジャパンであり、デンソーが開発された。バーコードに比べると情報量が圧倒的に大きく、数字で言えば7,000文字ということで、活用の余地は非常に大きく、かつ簡易である。Near Field Communication、NFCに比べると、小売店においては、例えば紙でも済むわけであり、中国ではそうなっている。その意味での簡易さというのはやはり大きな特徴だろうと思う。では、全てがQRコードになるのかといえば、多分そうではない。例えば、マイナンバーカードはQRコードで済ませたらいいかというと、そうではない。セキュリティの問題も決してないとは言えないかもしれない。したがって、利用シーンや目的によって幾つかのインターフェースが今後も併存するかたちになるのではないかと思う。
 私自身は、最近はスマホで、NFCを活用させていただいているが、これが無くなるとはあまり思っていない。


(問)
 税・公金の電子納付について、全銀協が事務局を務め、関係省庁、地方税電子化協議会と会合を持ち、協議を進めていると思う。税・公金の電子納付に関する納付書の統一に向け、どのようなスケジュールで進めたいと考えているか。また、実現に向けてハードルはあるか。
(答)
 以前から言われているとおり、税・公金の事務は極めて煩雑である。これをいかに効率化できるかということは、納付者にとっても、あるいは、国・地方公共団体、金融機関にとっても、いわば三方良しの施策ということである。とりわけ働き手不足や、社会全体の電子化、あるいは生産性の向上が社会的な課題となっているなかで、これはぜひ実現したいということである。
 これまでも全銀協は、毎年、税・公金収納の効率化に向けた要望活動をしてきたが、今般自らやろうということになり、全銀協が事務局となって関係省庁や金融団体等にお集まりいただき勉強会を設置、3月7日に第1回を行った。
 勉強会では、まず現状がどうなっているのかを俯瞰するとともに、既存の枠組みのなかで短期的に取り組めることはないか、さらには、新たな技術も導入して、中長期的にどんな対応が可能なのかを、官民で議論していきたいと思っている。年内にあと3回程度やるという、意欲的なスケジュールを組んでいる。
 ご質問にあった納付書を統一するにはどのようなハードルがあるのかということだが、例えば、納付書の書式は1,700以上の地方公共団体がそれぞれ作成している。したがって、地方公共団体が合意する必要がある。また、システム投資には当然コストもかかるので、これらの問題をどう解決するかということがポイントになる。
 さらに、すでにある便利な決済機能の官民での周知活動や、例えばマイナポータル、e-TAX、eLTAX等の機能の向上など、官民一体となって納付者の利便性の向上、そして行政の効率化につながるような仕組みの検討も続けていきたいと考えている。
(問)
 最後の会見ということで、会長からメッセージをいただきたい。銀行界のこの1年間を振り返ってみると、店舗削減、採用数の減少というキーワードも出てきて、リストラモードにあったと思う。取巻く環境は非常に厳しいと思うが、将来ある若手の銀行員、今就職活動に臨んでいる学生に向けて、銀行界を代表して会長からメッセージをいただきたい。
(答)
 ちょうど今、採用活動も始まろうとしているところでこのような質問をいただきありがたい。銀行界は長い歴史のなかで培った信頼と信用、それによって得た極めて大きなお客さまの基盤、これらをベースにして今まさに新たなビジネスモデルの改革に向けて取り組んでいるところである。特に少子高齢化、あるいはICTの進展といった社会的な構造変化が進んで、お客さまのニーズ、期待も大きく変わっている。そのようななかで、新しいデジタル技術などを活用する機会が増えているということである。
 ただ一方で、銀行の存在意義、つまり先ほども申しあげた信頼・信用を基に、お客さま、あるいは社会に対して金融サービスを通じた課題解決へのソリューションを提供すること、これは変わることはない。したがって、銀行は引き続き多くのお客さまの暮らし、あるいは企業の成長に貢献すべく、時代に合った金融サービスの開発を進めることで、さらなる成長を遂げていくことを申しあげたいと思う。
 働き手の立場に立って少し申しあげると、銀行界が今行おうとしていることは、非常に多いルーティン的な仕事を機械化、自動化するとともに、デジタル技術を活用し、個人、企業、機関投資家といったお客さまに対して、より付加価値の高いサービスを提供する新たなビジネスモデルを創造していく、そして、そこに優秀な人材を投入していく、そのようなことを今行おうとしている。
 したがって、5年後、10年後の銀行の仕事は、私が今やっている仕事より余程おもしろいということを申しあげたいと思う。かつ、働く従業員自身が、それぞれの持ち場で、今までにないような発想、未来志向で果敢に変革に挑戦していく。それを通じて自己実現と一人一人の成長に取り組んでいかなければいけないと思う。さらに、それが金融機関の成長、社会の発展につながる、そのようなサイクルをつくっていかなければいけないと考えている。これから就職活動に臨む学生の皆さんにも、こうした変革期の銀行業界で、ぜひチャレンジしていただきたいと思う。


(問)
 G20で仮想通貨の規制について各国の関心が高まっており、規制強化に向けた議題が出てくる見通しだ。この点について、仮想通貨はどうなっていくかまだ不透明な部分が大きいが、各国が協調して規制の枠組みを議論するということに対する考えと、どういったメッセージを発してほしいと思っているか教えてほしい。
(答)
 以前からこの場でも何度か申しあげているが、仮想通貨の問題は三つある。つまり、管理者が不在であるという仕組みあるいは運営機関に対する不信感、それから過度なボラティリティ、すなわち価値の変動、そしてマネー・ローンダリングを含む悪用のリスク、この三つである。
 先日、ダボス会議においてECB(欧州中央銀行)のクーレ専務理事も言っておられたが、G20では仮想通貨の行き過ぎた価格変動からの投資家保護、即ち先ほど申しあげたうちの二番目や、マネー・ローンダリングを含む不正行為に対する規制といった三番目、これらの課題が協議されるということだと理解している。やはりこうした大きな問題の解決には、国際レベル、あるいは国内における規制と監督が一つ重要なアプローチになると思う。
 ただ、同時に、仮想通貨交換業者自身による自主的な取組みも期待されるところである。つまり、事業者の運営そのもの、あるいはビジネスモデルについて事業者自身が取り組むこと、さらに、今回、自主規制団体ができる方向にあるが、そういった事業者による努力も引き続き重要だと思っている。
 仮にそういった努力の結果として、先ほど申しあげた三つの課題を解決することができるのであれば、今のような仮想通貨が投機の対象のみとして使われるということではなく、例えば決済手段として社会的な認知を得て普及する可能性は十分あると見ている。


(問)
 キャッシュレスについて伺いたい。キャッシュレス化を進めるとき、現金を扱うことの社会的コストを減らすことが一つの目的と言うが、社会的コストというと常に経済の外部性が働いてしまうので、なかなかこれを理由に個々の経済主体の行動を動議づけするのは難しい。もし社会的コストを減らすためにキャッシュレス化を進めるのなら、これをどう内部化していくかということが必要だと思うが、どう考えるか。
(答)
 ご質問にお答えする前に、今回数字を調べてみた。日本は、キャッシュレス化が著しく遅れている、せいぜい2割でアメリカの半分位だとよく言われる。ただ、実は銀行システムの面では日本は進んでいる。日本では口座振替も送金もリアルタイムにできる。クレジットカード、電子マネーに、口座振替や銀行送金を含めると、キャッシュレス比率はすでに4割を超えているとの分析もある。これは何を意味しているかというと、口座振替や銀行送金が便利だということである。今はスマホでオンラインバンキングが自由にできるようになっているため、ボタンを幾つか押すだけで送金ができる。便利だから皆さまがお使いになるわけである。したがって、一言でご質問に答えれば、いかに現金以上に利便性が高いサービスを提供できるかにかかっている。使いたいとなれば、皆が使うということである。
 したがって、繰り返しになるが、私ども銀行業界は、今年の秋に全銀システムを24時間365日稼動させるが、これにより、休日・夜間のeコマースにおいても、銀行口座から送金が即時に可能になる。また、先ほども質問に答えたが、税・公金についても徹底的な効率化をやろうということで、具体的な動きが始まっている。そして、会員各行においても、先ほどQRコードの話も出たが、デジタル技術を活用した、よりローコストで、かつユーザーフレンドリーな支払いや送金の新たなサービスを開発する努力も活発化している。
 さらに申しあげると、手形・小切手も、確かに今の手形・小切手を使い慣れた皆さまには、新しいシステムへの導入の抵抗感はあると思う。ただ、金融機関が移行に向け十分な啓発活動を行い、商工会議所などともご一緒いただきサポートすれば、最終的には非常に使い勝手がいいところに持っていけるはずである。今のでんさいネットでは使い勝手がよくないので、それも改善する。使い勝手がよくなれば使っていただけるので、銀行界としては単に社会的コストの削減のみならず、お客さまの利便性に着目したキャッシュレス化への試みを続けていきたい。
(問)
 この1年本当にありがとうございました。
(答)
 こちらこそ、ありがとうございました。皆さまのおかげで、この1年何とかやってきた。後任はみずほ銀行の藤原頭取だが、引き続きよろしくご支援をお願い申しあげる。ありがとうございました。