金融商品には「金利」ではなく「利回り」という表現を使用するものもあります。一見同じにも思えますが、金利と利回りは必ずしも一致しません。
金利とは、投資金額に対して支払われる年間利息の割合のことであり、単年の利息額をパーセンテージで示したものです。預金でいえば預け入れ預金に対して、銀行から預金者に支払われる1年分の預金利息の割合となります。
一方、利回りとは、投資金額に対する1年あたりの運用収益の割合のことであり、お金がどれだけ増えたかを示すものです。複数年にわたる運用期間でも単年の収益率に戻して示すものであり、投資信託や債券など値上がりの可能性がある場合はその売却収益も加味されます。預金でいえば、預け入れ金額に対する、1年あたりの運用益(複数年の預金利息合計の1年平均)の割合となります。
具体的に違いを見てみましょう。
金利0.3%(税引き後0.2391%)、5年ものの定期預金に100万円預けた場合、1年目に手にする利息は2,391円(税引き後)。しかし、2年目は100万円に2,391円が加算された金額に対して金利がつきますから、手にする利息は2,396円(利息合計は4,787円)と1年目より多くなります。こういった増え方を「複利」と言います。下図のとおり、5年目の利息額合計は12,012円となり、1年あたり2,402円の利息になるため、この時の利回りは税引き後0.2402%となります。
このように複利型商品の場合(※2)、前年の利息額を加えただけの単年の金利(税引き後0.2391%)に対し、複利効果を受けた複数年の利息額を1年平均した利回り(税引き後0.2402%)は大きくなります。