令和元年11月13日(水)10:50~11:40

 「私たちの暮らしと経済」の単元で、身近な消費生活を中心に経済活動の意義や課題、解決策、市場経済の基本的な考え方、社会保障や消費者保護等の諸問題について理解し、主体的に行動できるようになることを目的とした授業が実施されました。

 1時間目は「生活設計・マネープランゲーム」を活用し、近い将来の生活シミュレーションを通して人生における収入と支出の関係に気付き、人生設計の意義を理解したうえで、自分の言葉でまとめることを目的とした授業が実施されました。

 このゲームは、人生には様々な選択があることに気付くとともに、計画性を持って生活していく必要があることを体感するアクティブラーニング型の教材です。カードを引くことで、ライフイベント(就職、生活の仕方、結婚、子育て、住居の購入等)とそれに伴う費用や満足度(思い出ポイント)を決めていき、決めた内容をシートに記録しながら振返りを行っていきます。4~5人1班で行うグループワークで、生徒たちが主体的に考え、話し合いながら進めていく教材となっています。

 「『より良い人生』は、どうすれば手に入るでしょうか」という問いが、スライドに映し出されました。
 本時は、「生活設計・マネープランゲーム」の中で人生の選択と挑戦について疑似体験することで、より良い人生を手に入れる方法について考えていくことが伝えられました。

 班の中で係を決め、カードを並べ、ゲームが始まりました。
 就職をして自立した生活を始める20歳代の体験では、どの職業に就くか決めた後、収入カードを引いて収入額を決めました。自分では使い道を決めることができない非消費支出(税金や社会保険料等)があることを確認した後、収入ごとの非消費支出を記録していきます。
 次に、どのように生活していくかを決める基本生活支出カードを引き、収支を計算したところ、この時点で収支がマイナスになっている班がいくつかありました。
 その後、自動車の購入を決め、20歳代の収支と思い出ポイントを計算した後、各班の結果を黒板に書き出しました。他班の状況を確認しつつ、30歳代の人生をどのようにしていきたいか話し合う様子が見られました。

 続いて30歳代の体験では、様々なライフイベント(結婚・子育て・住居の購入・自動車の購入・保険への加入・イベント&アクシデント)を経験しながら、それらに必要なお金について学んでいきます。
 まず、人生の三大資金等について進行スライドで確認し、住宅資金、教育資金、老後資金それぞれで大きなお金が必要になることが分かりました。
 次に結婚カード、子育てカードを引き家族構成を決めていきました。その中で、非消費支出は収入だけでなく家族構成によっても変わることが分かりました。
 家族構成が決まった後、住居の購入について考えます。
 「ローンとはどのような仕組みですか」と先生問いかけたところ、生徒から「先にお金を借りて時間をかけて返していく方法で、返す時には利子がつく仕組み」としっかりと返ってきました。ローンの仕組みについて改めて確認したところで、住居の購入について話し合いをしていきました。ここで、現時点で貯蓄額がマイナスの班は、賃貸の中での選択に限られることが先生から伝えられました。
 ここまでの貯蓄額を確認し、家族構成や今後の生活のことも考えながら、住居を購入するか賃貸にするか、購入する場合はどのような支払方法にするかを話し合って決めていきました。
 その後、自動車の購入、保険の加入について決め、「イベント&アクシデントカード」を引きました。ほぼ全ての班が保険に加入しており、ケガや交通事故等のアクシデントに見舞われたものの損失分をカバーできた班もありました。人生には不測の事態が起こる可能性があることや、リスクへの備えの必要性について理解することができました。

 30歳代までの収支と思い出ポイントの計算が終わった班から結果を黒板に書き出しました。
 20歳代スタート時の収入と支出が同じでも、30歳代終了時で貯蓄額に大きな差が出た2つの班、収入が少なくても支出を制限できており、思い出ポイントもたまっている班等、8班それぞれに異なる人生となりました。
 他班の結果と見比べながら、「このままでは老後の必要資金が貯められないのでは」、「収入に合ったお金の使い方をしなければ大変なことになる」等、それぞれ気付いたこと、感じたことを班内で話し合う様子が見られました。

 先生からは、結果の違いは何の違いなのか、30歳代終了時の結果を踏まえ40歳代以降はどのような点に注意して生活して行けば良いのか、自分の人生だったらどのようにしたいかをノートにまとめておくよう指示があり、授業は終了しました。