解説記事 国内

平成28年1月29日

日銀、「経済・物価情勢の展望(2016年1月)」を公表

日本銀行は、1月29日、政策委員会・金融政策決定会合において、2016年1月の「経済・物価情勢の展望」を決定し、「基本的見解」を公表した。その概要は以下のとおり。 1.わが国の経済・物価の中心的な見通し(1)経済情勢

  • わが国の景気は、輸出・生産面に新興国経済の減速の影響がみられるものの、緩やかな回復を続けている。
  • 先行きのわが国経済を展望すると、家計、企業の両部門において所得から支出への前向きの循環メカニズムが持続するもとで、国内需要が増加基調をたどるとともに、輸出も、新興国経済が減速した状態から脱していくことなどを背景に、緩やかに増加するとみられる。
  • 2017年度までの成長率の見通しを従来の見通しと比べると、概ね不変である。

(2)物価情勢

  • 先行きの物価を展望すると、消費者物価の前年比は、エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移するとみられるが、物価の基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていくと考えられる。
  • 原油価格が現状程度の水準から緩やかに上昇していくとの前提に立てば、消費者物価の前年比が「物価安定の目標」である2%程度に達する時期は、2017年度前半頃になると予想される。

2.上振れ要因・下振れ要因
(1)経済情勢

  • 経済の見通しに対する上振れ、下振れ要因としては、①海外経済の動向に関する不確実性、②消費税率引き上げの影響、③企業や家計の中長期的な成長期待、④財政の中長期的な持続可能性がある。

(2)物価情勢

  • 経済の上振れ、下振れ要因が顕在化した場合、物価にも相応の影響が及ぶとみられる。
  • 上記以外に物価の上振れ、下振れをもたらす要因としては、①企業や家計の中長期的な予想物価上昇率の動向、②マクロ的な需給バランス(特に労働需給の動向)、③物価上昇率のマクロ的な需給バランスに対する感応度、④輸入物価の動向がある。

3.金融政策運営

  • 2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入した。日本銀行は、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を継続する。今後とも、経済・物価のリスク要因を点検し、「物価安定の目標」の実現のために必要な場合には、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる。

(関係資料はwww. boj. or. jpから入手可能)