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2016年3月 4日

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)、第二次市中協議文書「オペレーショナル・リスクに係る標準的手法の見直し」を公表

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、3月4日、第二次市中協議文書「オペレーショナル・リスクに係る標準的手法の見直し」(原題:Consultative Document: Standardised Measurement Approach for operational risk)(以下「第二次市中協議文書」という。)を公表し、6月3日を期限としてパブリックコメントに付した。
 BCBSは、2014年10月6日、オペレーショナルリスクに関し、よりリスクセンシティブな資本賦課枠組みへの見直し等を目的とし、銀行のビジネス規模に応じて累進的に所要資本が増加する新たな標準的手法(現行は、粗利益をベースとした標準的手法)を提案する市中協議文書(以下「第一次市中協議文書」という。)を公表し、2015年1月6日を期限としてパブリックコメントに付していた。
 第二次市中協議文書は、第一次市中協議文書に対するコメント等を踏まえたものであり、第一次市中協議文書からの主な変更点および追加提案事項は以下のとおり。 

  • モデルが過度に複雑であり、比較可能性が乏しい等の理由から、現行の内部モデル手法である先進的計測手法(AMA)の廃止を追加提案。
  • 標準的手法に関し、中規模以上の銀行については、第一次市中協議文書で提案していたビジネス規模に加え、個別行の損失実績を加味した計算方法に変更。
  • 損失実績を用いる銀行に対して、損失データ収集に関する定性的要件を遵守できなかった場合のペナルティの実施を追加提案。

(関係資料(英文)はwww.bis.org、関係資料の一部仮訳はwww.fsa.go.jp、www.boj.or.jpから入手可能)