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2016年3月24日

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)、市中協議文書「信用リスクアセットのばらつきの削減・内部モデル手法の利用の制約」を公表

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、3月24日、市中協議文書「信用リスクアセットのばらつきの削減・内部モデル手法の利用の制約」(原題:Reducing variation in credit risk-weighted assets - constraints on the use of internal model approaches)(以下「市中協議文書」という。)を公表し、6月24日を期限としてパブリックコメントに付した。
 BCBSは、信用リスクに係る内部モデル手法(IRB)について、比較可能性の向上や、計測されるリスクアセットの銀行間の過度なばらつきを低減すること等を目的とし、IRBに課すべき制約に関する検討をこれまで進めていた。
 市中協議文書は、この検討を踏まえた提案が行われたものであり、主な内容は以下のとおり。

  • 銀行、その他金融機関、大企業向け債権について、デフォルト数が少なく、モデル化になじまないとして標準的手法(SA)による計測を提案。
  • 株式について、公開情報だけではモデル化に十分な情報が得られないとして、SAによる計測を提案。
  • アウトプット・フロア(IRB採用行に対し、SAにより計測したリスクウェイトアセット(RWA)の一定割合の水準の維持を求めるもの)の水準として、SA対比60%・90%の掛目を提案。
  • 他の見直し(信用リスクに係るSA等)と同様、2016年末までに最終化予定。

(関係資料(英文)はwww.bis.org、関係資料の一部仮訳はwww.fsa.go.jp、www.boj.or.jpから入手可能)