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2016年4月15日

金融庁、金融システムの安定に資する総損失吸収力(TLAC)に係る枠組み整備の方針について公表

 金融庁は、4月15日、金融システムの安定に資する総損失吸収力(TLAC)に係る枠組み整備の方針(以下「整備方針」という。)を公表した。
 TLAC規制に関しては、2015年11月、G20アンタルヤ・サミットにおいて、金融安定理事会(FSB)から報告された、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)に対してTLACの確保を求める最終合意文書(以下「TLAC合意文書」という。)が了承されている。
 金融庁は、これまで、預金保険法の改正(2014 年3月施行)により「金融システムの安定を図るための金融機関等の資産及び負債の秩序ある処理の枠組み」を整備している。今回の整備方針は、上述の国際的な動向を踏まえ、特にG-SIBs についての秩序ある処理に関する新たな枠組みに対応する観点から取りまとめられている。
 具体的な対応としては、TLAC 合意文書はバーゼル合意との一体性が確保されていること、およびFSB から2015 年11 月時点でG-SIBs として選定されているわが国の金融機関がいずれも銀行持株会社であることを踏まえ、主として、「銀行法第五十二条の二十五の規定に基づき、銀行持株会社が銀行持株会社及びその子会社の保有する資産等に照らしそれらの自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(平成18 年金融庁告示第20 号)の改正により実現することを考えているとしているほか、必要に応じ、所要の法令の改正を併せて行うことを考えているとしている。併せて、今後の国際的な議論の動向等によって、整備方針を変更する可能性がある点にも言及している。
(関係資料はwww.fsa.go.jpから入手可能)