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2016年4月21日

バーゼル銀行監督委員会(BCBS)、最終文書「銀行勘定の金利リスク」を公表

 バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、4月21日、最終文書「銀行勘定の金利リスク」(原題:Interest rate risk in the banking book)(以下「最終文書」という。)を公表した。
 BCBSは、銀行のバランスシートにおける銀行勘定(貸出や預金を中心とした取引を経理する勘定)とトレーディング勘定(金利等の変動による短期的な売買差益の確保を目的に行う取引を経理する勘定)との間の規制の平仄や、将来の金利上昇に対する備えの観点から、2015年6月に同タイトルの市中協議文書を公表し、銀行勘定の金利リスクについて、(1)標準的手法によりリスク量の測定を定式化し、自己資本比率の分母に反映する案(第1の柱)および(2)自己資本比率には反映させず、監督対応の深化(開示、アウトライヤー基準の強化等)を図る案(第2の柱)の2案を両論併記のうえ、パブリックコメントに付していた。
 最終文書は、市中協議文書へのコメントを踏まえ、上記(2)案を採用し、金利リスク測定のためのショックシナリオの種類や開示項目が増加するとともに、監督上の基準値(アウトライヤー比率)や監督上の対応等が強化されることとなった。
 なお、最終文書にもとづく規制は、2018年からの適用が予定されている。
(関係資料(英文)はwww.bis.org、関係資料の一部仮訳はwww.fsa.go.jp、www.boj.or.jpから入手可能)