解説記事 海外

2016年9月 5日

第11回金融・世界経済に関する首脳会合(G20杭州サミット)、首脳宣言を公表

20か国・地域(G20)が参加する金融・世界経済に関する首脳会合(以下「金融サミット」という。)の11回目の会合が、9月4日から5日にかけて中国・杭州で開催された。  9月5日の会合後には、議論の成果として「G20杭州・サミット首脳宣言」(以下「首脳宣言」という。)が採択され、公表された。首脳宣言に盛りこまれた事項(一部)は以下のとおり

  • 金融規制について、開かれた強靭な金融システムの構築は成長と発展に極めて重要である。資本賦課を大きく引き上げることなくバーゼルIIIを年内に最終化することを含め、規制枠組みの残された重要な要素を最終化するほか、合意された改革の適時、完全かつ整合的な実施にコミットし、改革の実施と影響に対する監視を向上させる。
  • 国際課税の観点からは、世界規模で公正かつ現代的な国際課税システムを達成し、成長を促す、税源浸食と利益移転(BEPS)、税に関する情報交換、途上国の能力構築および租税政策に関する税の国際的協力を支持する。
  • 英国のEU加盟国地位に関する国民投票の結果は、世界経済の不確実性に付加するものである。G20構成国は、経済上および金融上の結果に積極的に対処できる立場にあり、将来英国がEUの緊密なパートナーであることを希望する。
  • 次回会合は、2017年にドイツで、次々回会合は2018年にアルゼンチンでの開催が予定されている。

 なお、金融サミットにあわせて、金融安定理事会(FSB)やバーゼル銀行監督委員会(BCBS)等から以下の報告書がG20首脳等宛に提出されている。 ○FSBから公表された報告書

  • FSB議長からのG20首脳会合へのレター
  • 金融規制改革の実施と影響に関する第2回年次報告書
  • コルレス銀行業務の減少への評価と対処のためのアクションに関する進捗報告書
  • IMF-FSB-BIS 効果的なマクロプル・デンス政策の要素に関する報告書
  • G20データギャップ・イニシアチブ セカンド・フェイズ 第1次進捗報告書
  • 不正行為の減少のための方策 第2次進捗報告書

○BCBSから公表された報告書

  • バーゼルIII規制改革の実施状況に関するG20首脳向け報告書

(関係資料の仮訳等はwww.mofa.go.jpから入手可能)