バーゼル銀行監督委員会(BCBS)は、10月12日、最終規則文書「TLAC保有」(原題:TLAC holdings)(以下「最終規則文書」という。)を公表した。
2015年11月、金融安定理事会(FSB)は、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の総損失吸収力(TLAC)に係る最終合意文書を公表した。その中で、G-SIBs破綻時の危機伝播リスクに対応するため、銀行によるTLACへの投資を制限する規制をBCBSで検討することとされていた。
BCBSは、TLAC適格債務に対する投資額を自己資本比率計算上の資本額から控除する際の取扱い等について検討し、その結果を2015年11月に市中協議文書「TLAC保有」として公表していたところであるが、今般公表されたのは、その最終規則文書である。
最終規則文書では、既存のダブルギアリング規制を活用するかたちでTLAC債ベースの追加閾値5%が設定されたほか、G-SIBsによる他のG-SIB発行のTLAC保有に関しては、追加閾値の利用について一定の条件が設定されている。
なお、最終規則文書にもとづく規制は、2019年からの適用が予定されている。
(関係資料(英文)はwww.bis.orgから入手可能)