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2016年10月21日

金融庁、「平成28事務年度 金融行政方針」を公表

 金融庁は、10月21日、「平成28事務年度 金融行政方針」(以下「本方針」という。)を公表した。

 金融庁は、2015年から、金融行政が何を目指し、いかなる方針で行政を行っていくかを「金融行政方針」として公表している。また、その進捗状況や実績等を継続的に評価し、毎年「金融レポート」として公表するとともに、その評価を翌事務年度の金融行政方針に反映させることとしている。

 本方針は、「平成27事務年度 金融レポート」の評価を反映させたものであり、金融行政運営の基本方針を実現するために、必要な改革を進めるとしている。

 

 (金融行政運営の基本方針)
 以下により、企業・経済の持続的成長と安定的な資産形成等による国民の厚生の増大を目指す。

  • 金融システムの安定/金融仲介機能の発揮
  • 利用者保護/利用者利便
  • 市場の公正性・透明性/市場の活力の確保

 

(必要な変革)
 ○金融当局・金融行政運営の変革

  • 検査・監督のあり方を環境変化に適合するかたちに見直し
  • 金融機関による開示の促進等により、良質な金融商品・サービス提供に向けた金融機関の競争を実現
  • 金融庁の組織自身を、環境変化に遅れることなく不断に自己改革する組織に変革


 ○国民の安定的な資産形成を実現する資金の流れへの転換

  • 家計については長期・積立・分散投資の促進
  • 金融機関等(運用機関/販売会社)については顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)の確立・定着
  • 機関投資家(年金基金等)については運用の高度化


 ○「共通価値の創造」を目指した金融機関のビジネスモデルの転換

  • 金融機関の現在のビジネスモデルが環境変化のもとで持続可能か検証
  • 金融機関が顧客本位の良質なサービスを提供し、企業の生産性向上・国民の資産形成を助け、結果として、金融機関自身も、安定した顧客基盤と収益を確保するという好循環(顧客との「共通価値の創造」)を目指す

 

(関係資料はwww.fsa.go.jpから入手可能)