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2016年12月27日

金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」、報告書を公表

 金融審議会「金融制度ワーキング・グループ」(座長:岩原紳作早稲田大学院法務研究科教授・東京大学名誉教授)(以下「WG」という。)は、12月27日、報告書を公表した。

 WGは、4月19日に開催された金融審議会総会・金融分科会合同会合において、岩原金融審議会会長から、2015年12月に公表した「金融グループを巡る制度のあり方に関するワーキング・グループ」報告および「決済業務等の高度化に関するワーキング・グループ」報告で挙げられた課題について、FinTechを巡る動向など、今後の状況等を踏まえながら継続的に検討を行っていくことが必要であるとされたことを受け、両ワーキング・グループを統合するかたちで設置されたものである。

 報告書は、とりわけ早期の対応が求められるとされた電子決済等代行業者(金融機関と顧客との間に立ち、顧客からの委託を受けてITを活用した決済指図の伝達や金融機関における口座情報の取得・顧客への提供を業として行う者)に対する規制等について5回にわたる検討の結果を取りまとめたもので、電子決済等代行業者に登録制を導入し、財務要件や情報の適切な管理、業務管理体制の整備等を求めるほか、金融機関に対し、契約締結可否に係る基準を策定・公表し、当該基準を満たす業者とは原則として契約を締結することとするなど、電子決済等代行業者と連携する金融機関に対する規制の提案も盛り込まれている。

 また、銀行代理業規制について、法制定時に想定されていなかったようなITを活用したサービスが登場していることにより、適用関係が必ずしも明確でないとの指摘があることを踏まえ、銀行代理業該当性について明確化が図られるべきであるとしている。

 なお、WGは、今後も決済関連法制その他の金融制度に関する審議を継続していく予定とされている。

(関係資料はwww.fsa.go.jpから入手可能)