金融庁は、12月28日、「銀行法施行令等の一部を改正する政令等(案)」(以下「改正政令等案」という。)を公表し、2017年1月27日を期限としてパブリックコメントに付した。
改正政令案等は、平成28年(第190回)通常国会で成立した「情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律」(平成28年法律第62号)の施行に伴い所要の改正を行うもので、施行期日は2017年4月予定とされている。
主な改正内容は以下のとおり。
1.金融グループにおける経営管理の充実
- 金融グループの経営管理として、銀行持株会社等が果たすべき機能を明確化する。
2.共通・重複業務の集約等を通じた金融仲介機能の強化
- 銀行持株会社グループ内の共通・重複業務であって、銀行持株会社が行うことがグループの一体的かつ効率的な運営に資する業務の類型について規定する。
- グループ内の銀行間取引について、アームズ・レングス・ルールの適用を柔軟化する際の要件について規定する。
3.ITの進展に伴う技術革新への対応
- 銀行または銀行持株会社による銀行業の高度化・利用者利便の向上に資する業務または資すると見込まれる業務を営む会社への出資の認可に係る審査事項等を規定する。
- 銀行グループまたは銀行持株会社グループに対する収入依存の要件の緩和の対象とする業務等について規定する。
- ICチップを利用したプリペイドカードにおける表示義務の履行方法の合理化等、決済関連サービスの提供の容易化および利用者保護の確保について規定する。
- キャッシュアウトサービス(デビットカードを活用して小売店のレジ等で現金の受取が可能)をATM等の外部委託の規定に追加する。
- 電子記録債権を移動するために必要な事項を規定する。
4.仮想通貨への対応
- 仮想通貨と法定通貨の交換業者に対し、登録制を導入する。
- 利用者が預託した金銭・仮想通貨の分別管理等、利用者保護のためのルールを整備する。
- 仮想通貨交換業に係る事務要領等について、「事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係)16.仮想通貨交換業者関係」を策定する。
(関係資料はwww.fsa.go.jpから入手可能)