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2016年12月14日

金融安定理事会(FSB)の気候関連財務ディスクロージャー・タスクフォース(TCFD)、気候関連財務ディスクロージャーに係る提言に関する市中協議文書を公表

 金融安定理事会(FSB)の気候関連財務ディスクロージャー・タスクフォース(TCFD)は、12月14日、気候関連財務ディスクロージャーに係る提言に関する市中協議文書(原題:Recommendations of the Task Force on Climate-related Financial Disclosures)(以下「市中協議文書」という。)を公表し、2017年2月12日を期限としてパブリックコメントに付した。

 FSBは2015年12月に、気候関連リスクに関する企業財務ディスクロージャーに関する提言を策定するためにTCFDを創設した。TCFDは2016年4月1日、TCFDの作業に関するハイレベルな目的、永続的な開示基準の枠組み等を整理した市中協議文書「TCFD フェーズIレポート」を公表し、パブリックコメントに付すとともに、2016年末までに開示原則等の策定に向けた最終報告書を取りまとめる旨を公表していた。

 市中協議文書では、投資家等が気候変動に関するリスクや機会を適切に評価できるようにするため、また、気候変動の潜在的な影響に関する財務ディスクロージャーの質を改善するため、企業が開示を行うに当たっての提言および全セクター向けガイダンスと金融セクター・非金融セクター向けの補足ガイダンスが提示されている。また、提言ではガバナンス、戦略、リスク管理、計測指標および目標値の4つのテーマについて、それぞれ開示内容が示されている。

 今後、TCFDは、2017年7月のG20ハンブルグ・サミットにあわせて最終報告を公表することを予定している。

(関係資料(英文)はwww.fsb.orgから入手可能)