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2016年12月16日

金融安定理事会(FSB)、市中協議文書「グローバルなシステム上重要な銀行の内部総損失吸収力に係る指導原則」および「金融機関の破綻処理時における金融市場インフラへのアクセスの継続に係るガイダンス」を公表

金融安定理事会(FSB)は、12月16日、市中協議文書「グローバルなシステム上重要な銀行の内部総損失吸収力に係る指導原則」(原題:Guiding Principles on the Internal Total Loss-Absorbing Capacity of G-SIBs (‘Internal TLAC’))(以下「内部TLAC市中協議文書」という。)および「金融機関の破綻処理時における金融市場インフラへのアクセスの継続に係るガイダンス」(原題:Guidance on Continuity of Access to Financial Market Infrastructures (FMIs) for a Firm in Resolution)(以下「FMI市中協議文書」という。)を公表し、2017年2月10日を期限としてパブリックコメントに付した。それぞれの市中協議文書の主な内容は以下のとおり。 1. 内部TLAC市中協議文書  内部TLAC市中協議文書では、2015年11月にFSBが公表した、グローバルなシステム上重要な銀行(G-SIBs)の総損失吸収力(TLAC)に係る最終合意文書における内部TLAC要件の明確化を図るため、主要子会社グループの特定と構成、内部TLACの量と形式、内部TLACの構成と発行、内部TLACのトリガーメカニズムの特徴および内部TLACのトリガーを引くプロセスに関する20の指導原則が提示されている。 具体的には、内部 TLACの発行が求められる「主要子会社」の特定プロセス、余剰TLACの取扱いのほか、内部TLACの発行に関する破綻処理戦略および資本再構築の支援等が規定されており、ホームおよび危機管理グループ内のホスト当局は、内部TLACの実施に当たって当該指導原則を踏まえて対応することが期待されている。 2. FMI市中協議文書  FMI市中協議文書では、2014年10月にFSBが公表した「金融機関の実効的な破綻処理の枠組みの主要な特性」に関して、金融機関の破綻処理時における重要業務継続のための金融市場インフラ(FMI)へのアクセス確保に関するガイダンスが提示されている。 当該ガイダンスは、破綻処理当局に対して、破綻処理中の金融機関が重要なFMIへのアクセスを確保することを促進し、関係者と適切な協力を行うことを求めている。次に、金融機関に対して、自身の破綻処理時において、重要なFMIへのアクセスを確保するための適切な対策を取ることを求めている。また、FMIに対して、FMI参加者の破綻処理の枠組みと自身のリスク管理の枠組みとの相互作用を踏まえた適切なステップを取ることを求めている。

(関係資料(英文)はwww.fsb.orgから入手可能)