20か国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議が3月17日から18日にかけて、ドイツ・バーデン=バーデンで開催され、同会議の声明が3月18日に公表された。声明の主な内容は以下のとおり。 1.世界経済の状況
- 世界経済の成長は依然として望ましいペースよりも弱く、世界経済の下方リスクが残存している。
2.金融政策・財政政策
- 金融政策は引き続き、中央銀行のマンデートと整合的に経済活動と物価の安定を支える。しかしながら、金融政策のみでは均衡ある成長に繋がらない。
3.為替市場
- 財政政策は、債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せることを確保しつつ、機動的に実施し、成長に配慮したものにし、質の高い投資を優先し、機会を提供し包摂性を促進する改革を支持すべきである。
- 為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済および金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認し、為替市場に関して緊密に協議する。
- 通貨の競争的な切り下げを回避することや競争力のために為替レートを目標とはしないことを含む、以前の為替相場のコミットメントを再確認する。
4.貿易および成長戦略
- 経済に対する貿易の貢献の強化に取り組んでいる。
- アフリカ連合の「アジェンダ2063」に沿った、持続可能かつ包摂的な成長を推進するため、アフリカ諸国との国際的な経済・金融協力を深化、拡大させる。
5.国際金融
- 国際金融アーキテクチャを、また強固で、クォータを基盤とし、かつ、十分な資金基盤を有するIMFを中心としたグローバル金融セーフティーネットを、さらに強化していくことに引き続きコミットする。
6.金融規制への取組み
- シャドー・バンキングあるいはその他の市場型金融活動に関連するものを含め、金融システムにおいて生じつつあるリスク、特にシステミックなリスク、および脆弱性を引き続きしっかりと監視し、必要に応じ対処する。
7.租税回避に対する取組み
- 世界規模で公正かつ現代的な国際課税システムのための取組みを続ける。
- OECDが2017年7月のG20サミットまでに、4つのミニマム・スタンダード全てを含むBEPS実施の進捗について報告することを求める。
- 全ての法域に対し税務行政執行共助条約に署名し、これを批准するよう求め、共通報告基準の実施に未だコミットしていない金融センターを含む全ての関係法域が遅滞なく実施しコミットすること、および、遅くとも2018年9月から共通報告基準にもとづく交換を開始するための国内法制の導入を含む必要な全ての行動をとることを求める。
8.テロとの戦い
- 腐敗、租税回避、テロ資金供与およびマネーロンダリングへの戦いの重要な手段として、国際基準の効果的な実施を通じた法人および法的取極めの透明性、国内および国際的場面における実質的所有者情報の入手可能性を一層向上させる。
9.国際送金
- 国際機関を含む全ての関連するステークホルダーに対して、とりわけ技術支援を通じて、送金とコルレス銀行をめぐる監督環境を改善するための国内の能力構築における各国への支援を引き続き実施することを求める。
(関係資料(英文)はwww.g20.org、関係資料の一部仮訳等はwww.mof.go.jpから入手可能)