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2017年11月16日

金融審議会、第39回総会・第27回金融分科会合同会合を開催

金融審議会(会長:岩原紳作 早稲田大学大学院法務研究科教授)は、11月16日、第39回総会・第27回金融分科会合同会合を開催した。   会合では、麻生金融担当大臣による金融制度のあり方および企業情報の開示・提供のあり方に関する検討の諮問を受け、金融制度スタディ・グループ(座長:岩原紳作教授)およびディスクロージャー・ワーキング・グループ(座長:神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授)の設置が決定された。   諮問に関し、金融庁からは以下のとおり検討の方向性等が示されている。 ○金融制度のあり方に関する検討関係 (検討の方向性) 1.同一の機能・リスクには同一のルールを適用

  • 例えば、金融の機能を、「決済」「資金供与」「資産運用」「リスク移転」などに分類し、機能・リスクに応じたルールの適用を検討

2.金融に関する基本的概念・ルールを横断化

  • 金融規制における定義の横断化の検討 

3.環境の変化に対応すべく規制を横断的に見直し ○企業情報の開示・提供のあり方に関する検討関係 (検討が考えられる事項) 1.経営の戦略やリスクなどに係る情報の充実

  • 経営戦略やリスク情報等の情報開示のあり方
  • 経営者による業績の分析(MD&A)における、セグメントの設定や、各セグメントについての分かりやすい説明のあり方等

2.建設的な対話の促進に向けたガバナンス情報の提供

  • 現状、有価証券報告書(金商法)やコーポレートガバナンス報告書(取引所)などに分かれているガバナンス情報の提供のあり方
  • 政策保有株式に係る情報や、役員報酬の決定方針など報酬に関する情報の開示のあり方等

3.提供情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組み

  • 監査法人の継続監査年数の記載など、会計監査に係る情報の開示のあり方
  • 開示書類の提供の時期・英文での情報提供などのあり方等

  なお、金融制度スタディ・グループは11月29日に、ディスクロージャーワーキング・グループは12月11日に、それぞれ初回会合が開催されている。 (関係資料はwww.fsa.go.jpから入手可能)