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2018年6月28日

金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」、報告書を公表

金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(座長:神田秀樹 学習院大学大学院法務研究科教授)(以下「WG」という。)は、6月28日、「ディスクロージャーワーキング・グループ報告・資本市場における好循環の実現に向けて・」(以下「報告書」という。)を公表した。  WGは、2017年11月16日に開催された金融審議会総会・金融分科会合同会合において、麻生太郎金融担当大臣から、投資家の投資判断に必要な情報を十分かつ適時に分かりやすく提供することや、建設的な対話に資する情報開示を促進していくため、企業情報の開示および提供のあり方について検討を行うことについて、諮問がなされたことを受けて設置された。   報告書は、WGにおける8回の審議の検討結果等を取りまとめたもので、有価証券報告書における開示を念頭に、その他の開示(会社法開示、上場規則、任意開示等)との関係にも配意しつつ、以下について、それぞれ開示内容の拡充等を求めている。

 

Ⅰ.「財務情報」及び「記述情報(非財務情報)」

  •  経営戦略・ビジネスモデル
  • 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(MD&A)
  • リスク情報 等

Ⅱ.建設的な対話の促進に向けたガバナンス情報の提供

  •  役員報酬に係る情報
  • 政策保有株式
  • その他のガバナンス情報の充実と提供

Ⅲ.提供情報の信頼性・適時性の確保

  • 会計監査に関する情報
  •  開示書類の提供の時期(年度開示、重要情報の公表タイミング、四半期開示、沈黙期間)

Ⅳ.その他

  • IT を活用した情報提供、EDINET 等
  • 英文による情報提供

 

 報告書は、今後、金融審議会総会・金融分科会において報告されるとともに、同報告にもとづいて、以下の策定が行われる見込みである。

  1. 開示内容について具体的に定めるルール
  2. 開示内容や開示への取組み方についての実務上のベストプラクティス等から導き出される望ましい開示の考え方・内容・取組み方をまとめたプリンシプルベースのガイダンス

 

 

 

 

 

 

 

(関係資料はwww.fsa.go.jpから入手可能)