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2019年12月20日

政府、「令和2年度税制改正の大綱」を閣議決定

 政府は、12月20日、「令和2年度税制改正の大綱」(以下「政府大綱」という。)を閣議決定した。

 政府大綱は、12月12日に与党が決定した「令和2年度税制改正大綱」にもとづいて取りまとめられたものであり、持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進および投資や賃上げを促すための税制上の措置を講ずるとともに、連結納税制度の抜本的な見直しを行うとしている。さらに、経済社会の構造変化を踏まえ、すべてのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制を実現することや、NISA(少額投資非課税)制度の見直しのほか、国際課税制度の見直し、納税環境の整備等が盛り込まれている。

 政府大綱で措置された主な銀行関連項目の概要は以下のとおり。

 

 ・つみたてNISAを5年延長する(2023年まで20年の積立期間を確保)。

 ・一般NISAについては、一階で積立投資を行っている場合には二階で別枠の非課税投資を可能とする二階建ての制度に見直したうえで5年延長する。

 ・ジュニアNISAについては、延長せずに2023年末で終了する。

 ・私的年金等について、①DC(企業型・個人型)等の加入可能要件の見直しと受給開始時期等の選択肢の拡大、②中小企業向け制度(簡易型DC・iDeCoプラス)の対象範囲の拡大、③企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和、④ポータビリティの改善、等の見直しが行われた後も、現行の税制上の措置を適用する。

 ・連結納税制度について、企業グループ全体を一つの納税単位とする現行制度に代えて、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う仕組みとする(グループ通算制度への移行)。なお、地方税においては、現行の基本的な枠組みを維持しつつ、国税の見直しに併せて所要の措置を講ずる。

 ・市中金利の実勢を踏まえ、利子税・還付加算金等の割合を引き下げる(現行は貸出約定平均金利+1%、見直し後は貸出約定平均金利+0.5%)。

(関係資料はwww.mof.go.jp等から入手可能)