Q. 子供の進路を考えると、この先の学費が不安です……

<私、悩んでいます>

「現在、小学3年の娘がいます。できれば、中学から私立に通わせ、そのまま大学まで進学してほしいと考えています。しかし、学費を払っていけるかどうか……。18歳満期で満期金200万円の学資保険には加入していますが、住宅ローンも抱え、貯蓄はボーナスも含め、年間50万円ほど。やはり、あきらめるべきでしょうか(女性/35歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 中学~高校が私立になると、教育費の上乗せ額は月5万9,000円
  • 不足分は家計支出の見直しと収入アップの模索
  • 人生に必要な資金は教育費だけではないことを再度考えよう
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奨学金利用は十分な情報収集と話し合いを

中学受験はどのくらいの割合なのでしょうか。大手進学塾の独自調査などを総合すると、受験率は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)では15~20%。つまりは、クラスで5、6人に1人の割合で受験するということになります。実は、多くの家庭にとって「我が家には関係ない」とは言い切れない数字になっているのです。

では、その場合、学費はどう変化するでしょうか。平均すると、私立中学校では3年間で約400万円、私立高校では同約300万円が発生します(表参照)。6年間の学習費の総額は、公立と比較して430万円ほど多くなり、これを単純に月割りすれば約5万9,000円。つまりは中学~高校の6年間、この金額だけ家計支出がオール公立の教育費に毎月上乗せされるというわけです。

あくまで平均値ではありますが、私立から中学を希望するなら、このくらいの教育費の準備が可能かどうかをしっかりと検討すべきでしょう。
もしも、現状では難しいのであれば、まず着手すべきは支出の削減です。大きな削減が必要なら、借り換え等による住宅ローンの支払額の軽減や保険の解約、あるいはクルマを手放すといった、思い切った固定費の見直しが必要かもしれません。また、収入アップも有効な方法。もし妻が専業主婦で今後働くことが可能ならば、教育資金不足に対して大きな改善が見込めます。

参考記事:Q. 大学費用の準備、今からでも間に合いますか?

幼稚園〜高校までの公立と私立と年間学習費比較

(単位/円)

  幼稚園(※1) 小学校 中学校 高校(全日制※2)
  公立 私立 公立 私立 公立 私立 公立 私立
学習費総額 233,947 482,392 322,310 1,528,237 478,554 1,326,933 450,862 1,040,168
 学校教育費 120,546 318,763 60,043 870,408 133,640 997,435 235,991 755,101
 学校給食費 20,418 29,924 44,441 44,807 43,730 8,566 ----- -----
 学校外活動費(※3) 92,983 133,705 217,826 613,022 301,184 320,932 174,871 285,067

文部科学省「平成28年度子供の学習費調査」より
(※1)2019年10月より3〜5歳児を対象に、月額 2万5700円を上限として幼稚園利用料の無償化が実施の予定
(※2)「高等学校等就学支援金制度」により高校(全日制)の通常年の授業料相当額11万8800円が減額されての調査結果
(※3)進学塾、習い事、家庭教師などにかかる費用

奨学金利用による子どもの負担は小さくない

自前での準備がきびしければ、奨学金の利用という方法もあります。親の負担軽減に加え、子どもの自覚や自立を促すというメリットもあります。しかし、同時に子どもが背負う返済の負担は決して小さくはありません。安易に利用を決めず、無利子か有利子か、また最近は返済不要の給付型も増えつつありますので、十分な情報収集と検討を重ねることが賢明です。

ともあれ、家計や貯蓄は教育費の捻出のためだけのものではないはずです。教育資金のために無理をして、自分たちの老後資金がなくなれば、結局、子どもに負担をかけてしまうことになりかねません。進学準備をきっかけに、家族のライフプランと資金の使い方をじっくり考えてみてはどうでしょうか。