相続をスムーズに行うには、生前の本人の準備が欠かせません。相続への備えは、ここ数年話題となっている「終活」の大事な要素ともなっています。
では、実際に何をすべきでしょうか。すぐに着手できることとしては、資産内容の整理があります。「口座がどこにあるかわからない」「どんな死亡保障があったのか知らない」という遺族のトラブルを未然に防ぐことができるからです。
整理とは、保有している預金、株式、債券、不動産など、また加入している保険、年金(企業、個人)、あるいはローンもあればその内容をまとめて記しておくということ。加えて、金融機関の通帳、カード、印鑑、保険証券、年金手帳等の保管場所の明記も忘れずにしてください。
ノートでもパソコンでも、何に整理しても構いません。大事なのは遺族が確認できるようその存在を、時期を見て伝えておくことです。
さらに遺族の生活に関わるという点では、相続について十分な準備が必要です。2015年から相続税の基礎控除額が4割低下し、「自分は関係ない」と考えていた世帯でも発生する可能性が高まりました。まずは、相続税がどの程度発生しそうか、試算をしておくことをおすすめします。