11月27日(木)実施

 身近なくらしと経済の関係について学ぶ、全4時間の授業が始まりました。
 1時間目では生活設計・マネープランゲームを通して、くらしの中の経済を見つけ、その意義を考えます。

 はじめに先生から、20歳代で就職してから40歳代までにどのくらいの収入があるのか、どのような出来事があり、どう生活に繋がっているのか、についてゲームを通して学んでいくことが伝えられました。その際に、「お金と思い出のバランス」「どのような時に選択に迷ったか」「収支のバランスがうまくいかない時のきっかけは何だったのか」を考えながら進めていくよう指示があり、ゲームがスタートしました。 

 ゲームは4人1班で進行していきますが、今回は班の中でさらに男女に分かれて2人1組で1人の人生を体験していきます。各班に1台ずつ配られたタブレットPCに授業進行用スライドを表示し、スライドに従いながらそれぞれのペースでゲームを進めていきました。ゲームの結果と計算を記入する生活設計・マネープランシートは、先生オリジナルのものを使用します。シートには20〜40歳代までの記入欄があり、カードの種類と金額を書く欄には、カードを裏返した状態から引く「ランダム」と、表を見て自分たちで選ぶことができる「選択」が示されています。先生からルールと計算方法が説明された後、生徒たちはこれらに従って順にカードを引き、ゲームを進めていきました。 

 今回の授業では、すべての年代で収入・基本生活支出カードを一枚ずつ引くようにし、収支に変動を付けます。収入カードは通常通り裏返して1枚引きますが、基本生活支出カードは表を見て自分たちで選択することができます。生徒たちは、自分がしたい生活や、何に優先してお金を使うのか、真剣に考えながらカードを選んでいました。

 20歳代が終了したところで、各班の結果を確認しました。基本生活支出カードを自分たちで選択していることもあり、収支がマイナスになる班はひとつもありませんでしたが、思い出ポイントがゼロになった班が一つありました。

 30歳代が始まると、様々な人生の選択に直面し、生徒たちは自分の理想の人生により近づくよう、ペアの相手と話し合いながらカードを選んでいきました。結婚・子育てにより、収支がマイナスになる班も出てきました。住居や自動車の選択では、家族構成や思い出ポイントを重視して購入を考える班も多く、それぞれ優先順位や収支のバランスを真剣に議論し、購入を決めていました。特に女子生徒のペアでは、欲しいものよりも家族の暮らしや家計を優先し、マイナス収支にならないように管理する様子が多く見られました。

 30歳代の結果を黒板に書き出すと、貯蓄と思い出ポイントに大きな差がでていました。先生がいくつかの班に、お金と思い出のバランスや、何が原因で現在の結果になったのか確認していきました。収入が少ないのに家族が多いため収支がマイナスになったが、思い出が多いという班、収入は多いが結婚せずひとりで暮らし、怪我や病気が多くてあまりよい人生といえないという班など、それぞれの選択が人生にどのような影響を与えたのかが見えてきました。

 思い通りにいかなかった理由の一つとして、「お金のあった20歳代で使いすぎた」という声があり、将来に備えて家計管理をすることの必要性を実感したようでした。
 実際の人生でも、収支がマイナスになりお金が足りないということは起こりうることであり、その場合自分のどのような選択が経済に影響を与えるのか、どのような方法があるのか。次回はその仕組みを見ていくとともに40歳代の人生を体験することが伝えられ、授業は終了しました。