Q. 将来を見据えて、子どもを留学させたい。費用はどのくらいかかりますか?

<私、悩んでいます>

「私立中学に通う息子がいます。今年、夏休みを利用した海外研修に参加させたところ、本人は海外や語学に興味を持つようになりました。私も将来を考えれば、本格的に留学させてあげたいと考えています。しかし、やはりその費用は心配。どのくらい必要なのでしょうか?(女性/35歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 長期留学なら年間で200万~400万円が一般的
  • 私立か公立、国の物価、為替が費用を大きく左右する
  • 奨学金、教育ローンの利用は慎重に
さらに読む

円安になれば、留学費用もグッと高騰

文部科学省の調べによると、2013年の海外留学生の数は5万5,350人ほど。実は2004年以降、人数は減少傾向にありますが、それでも多くの学生や社会人が海を渡っていることに違いはありません。

子どもの留学に備えるためには、かかる費用を知っておく必要があります。そこでまず、期間別に留学の形態を整理してみます。

短期留学
1~8週間程度。主に語学留学が多く、中学・高校生に人気が高い。最近では社会人も活用している。

長期留学
1~4年程度。語学留学の他、専門知識を学ぶための大学、大学院、専門学校への入学、ワーキングホリデーなど目的はさまざま。

留学費用を構成するその中身は、授業料、滞在費、食費、その生活費(交通費、通信費)、航空運賃、海外留学保険料、こづかい、諸費用(パスポート・ビザ申請、エージェント費用)が主な内容。この中で、とくに授業料と滞在費は、期間や学校、その国の物価、またそのときの為替レートによっても留学費用を大きく左右します。
円高になれば実質の負担は減りますが、逆に円安となれば負担増となるわけです。

大学留学、費用の目安は年間300万円前後

留学費用の具体的な金額ですが、授業料と滞在費、食費の合計での目安は以下のとおりです。

語学留学
短期であれば1週間20万円~、4週間35万円~、8週間55万円~。長期だと1年間で200万~350万円。

高校留学
カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの公立校は費用が抑えられ人気。年額250万~300万円。私立校だと500万円という場合も。

大学・大学院留学
私立か公立かで大きく費用に差が出ます。また、文系よりも理系の方が高め。年額で2年制大学(カレッジ)は150万~300万円、4年制大学は200万~400万円、大学院だと250万円~500万円といったところ。

海外の奨学金も種類が豊富

留学資金の作り方は、基本的には教育資金と同じと考えてください。目標額に向けて、積立定期預金などで計画的に積立てていくことになります。しかし、1年以上の留学はまとまった資金が必要なため、そもそもの準備が難しいという世帯もあるでしょう。
その際、利用できるものとして奨学金があります。海外の大学も奨学金制度は充実していて、中には無利息や返済不要といったものも。もちろん、子どもが負担を背負うのですから、情報収集と十分な話し合いは不可欠です。また、国(教育一般貸付)や民間金融機関の教育ローンを利用するという方法もあります。その場合も慎重に検討し、返済可能な範囲での利用に限ってください。