Q. キャリアアップのためMBAを取得したいのですが、資金はどのくらい必要でしょうか?

<私、悩んでいます>

「入社して7年、最近は収入も仕事の内容にも行き詰まりを感じています。そこで、思い切ってMBAの取得を考えています。まだ結婚はしていないので、自分のお金を自由に使える立場ですし、年齢的にもいい時期です。しかし、貯蓄は現在250万円ほど。実際、取得にはどのくらい資金が必要でしょうか?(男性/30歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 国内でのMBA取得なら2年間で150万~300万円
  • 海外留学によるMBA取得は、滞在費や生活費も含めて年間200万~400万円
  • 教育ローンや奨学金の利用は、十分な情報収集と無理のない返済プランを
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キャリアアップのツールとして定着したMBA取得

MBAとは〈Master of Business Administration〉の略で、一般には「ビジネススクール」と呼ばれる経営学の大学院において、その修了者に与えられ学位のことです。経営者やビジネスリーダーの資格として広く認知されており、主に社会人が履修します。
MBAを履修する目的は、社内での昇進や希望部署への異動、あるいは転職を有利にするといったキャリアアップが主ですが、人的ネットワークを広げたい、起業したいという人も少なくありません。

MBA取得は勤務する企業がその費用を負担するケースが主流ですが、自費であれば、まとまった資金が必要なだけに、資金を借り入れるという場合もあるでしょう。国の教育ローン(教育一般貸付)や民間金融機関の教育ローンの他、奨学金の利用も可能ですが、無理のない返済プランで借り入れるよう心掛けてください。

アメリカは2年間、ヨーロッバは1年間の履修が基本

では、その費用を具体的に見ていきましょう。
まずは国内での取得です。以前はMBAの取得と言えば、すなわち海外留学でしたが、この10年で国内で学べるビジネススクールが大きく増えました。
その国内取得も2つのタイプに分かれます。ひとつは海外のビジネススクールの日本校またはオンライン校。もうひとつは、日本国内の大学院による独自の経営学修士コースで学ぶというもの。どちらも、土日や平日の夜、および夏期、冬期の休みに講義が行われる通学タイプやインターネットによる通信制、またはその併用など、受講の仕方はさまざまです。
費用は、海外のビジネススクールでは2年制コースでトータル300万円前後、日本国内の大学院の場合は同150万~250万円となります。

加えて、海外留学によるMBAの取得は、授業料以外に滞在費、食費を含めた生活費、渡航費用などが発生するため、当然、かかる費用は国内取得よりも大幅にアップします。その額は、国の物価や為替レートにも左右されますが、年間200万円~400万円といったところ。アメリカの場合、履修期間は2年間、ヨーロッバは1年間が基本となっています。