Q.投資のリスクを減らす方法はありますか?

<私、悩んでいます>

「昨年出産して、現在は専業主婦をしています。わかってはいましたが、共働きの頃と比較すると収入が半減し、不安になってきました。将来のことを考え投資を少しずつ始めようと考えているのですが、損をしてしまうのではと思うと、なかなか踏み出せません。リスクをなるべく減らすような投資は可能なのでしょうか?(女性/26歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 分散投資を実践することが投資リスク回避の基本
  • 定期的に投資商品を組み替えることもリスク回避につながる
  • 自分のリスク許容度をしっかり見極めよう
さらに読む

投資対象と投資時期を分散させる

投資によるリスクを軽減する方法として、もっとも重要とされるのが「分散投資」です。
具体的には「投資対象の分散」と「投資時期の分散」があります。

投資対象の分散とは、購入する投資商品を一つに集中をしたり、値動きが似たような商品に偏ることがないよう、分散させるということです。例えば、保有する投資信託を1本から複数にすることで、それぞれのリスクが平均化され、全体としてリスクを抑える効果が期待できます。しかし、複数の投資信託を保有しても、それらがすべて国内株式に投資する商品であれば、同じ値動きをしやすい商品構成となり、リスクは分散できません。国内債券や外国株式に投資する投資信託も加えることで、リスク分散となるわけです。

とくに最近は、投資の最低単位が少額化しています。そのため、投資に回せる資金が少ない個人投資家でも、商品の分散がしやすい環境にあります。

投資時期の分散とは、購入するタイミングをずらすということです。投資商品は、割安で購入することが望ましいのですが、それがいつなのかを見極めることは簡単ではありません。そこで、毎回同じ金額で定期的に購入(積立購入)をることで、平均取得単価を抑える効果が期待できます。これをドルコスト平均法と言い、高値で購入してしまうリスクを回避しやすくなります。

さらに、購入した商品をそのままにするのではなく、定期的に、あるいは投資環境が変化したら、保有する商品の組み替えをすることもリスク回避につながります。投資商品の価格の変動により、分散の割合に偏りが生じ、気づかないうちにリスクを多く取っているケースがあるからです。


資産づくりはその目的によってリスク許容度が異なる

リスクに対する自分の許容度を知る、そのこともまた、結果として資産形成におけるリスク回避につながります。

どの程度までリスクを取ることができるかは、自分自身やその世帯の資産状況や家族構成、年齢、ライフプランなどによって異なります。子どもがまだ小さく、今後教育費がかかってくるというケースでは、なかなかリスクは取れません。教育資金は必要となる時期がおよそ決まっていますが、必要な時期に保有する投資商品の評価価格が低下している可能性があるからです。
一方、老後資金への備えには、必要な時期が比較的先のため、長期運用が可能となります。必要な資金でありますが、その主な目的はゆとりのある老後生活を目指すというもの。その意味でも、教育資金と比較すれば一般にリスク許容度は高いと言えるでしょう。

また、リスク許容度には気持ちの部分もあります。投資によって損をしてしまうのではないかと心配で仕方がない。投資は怖いというイメージがどうしてもある。そういう人が無理に投資をすれば、それが大きなストレスになりかねません。少なくとも、投資に関心を持てる、あるいはその必要性を十分理解するまでは、元本保証の貯蓄商品による資産づくりが望ましいでしょう。