Q. 大学進学のため奨学金を借りたいが、返せるか不安

<私、悩んでいます>

「大学進学を希望している高校3年です。家庭の事情で大学費用を親に出してもらうことができません。したがって奨学金を利用したいのですが、ちゃんと返すことができるかどうか不安です。もし、できない場合、どうなるのですか?また、そうならないためのポイントはありますか?(女性/18歳)」

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 返還が長期間滞ると、ローンの借入ができなくなることも
  • 返還額の減額や返還期限の猶予といった対応も可能
  • 自治体や大学、公益財団法人の「給付型」を狙うのもいい
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全体の1割が返還できていない

奨学金返還の延滞はいまや社会問題になりつつあります。全国で奨学金の返還を1日以上延滞している人は32万7,512人(全体の8.6%)、うち約16万4,635人が3ヵ月以上返還を延滞していると言います(※1)。

では、実際に返還ができないとどうなるのでしょうか。
督促状が届く、延滞金が課せられるといったことから始まり、長期間延滞が続くと法的措置(申立や強制執行)がとられます。さらに個人信用情報機関へ登録されてしまうと、たとえ返還が終了しても、その後5年間は登録が削除されないため、住宅ローンが組めない、クレジットカードが作れないといった可能性が出てしまうのです。

奨学金は学校卒業後、社会人になってから返還義務を負うことになりますが、さまざまな事情によってそれが難しくなる可能性もあります。その場合、多くの奨学金は、返還方法の変更等に応じます。

たとえば、日本学生支援機構の奨学金を返還している人の場合、災害、傷病、経済困難、失業等で返済が艱難な状態に陥った場合、返済額の減額や返済期限の猶予を受け付けています。減額であれば、1回当たりの返還額を2分の1もしくは3分の1に減額し、それに応じ返還期間が延長されます。猶予の期間制限は、基本的に10年を限度に一定期間返還を停止するという措置です(※2)。

また、奨学金は返還義務のある「貸与型」が一般的ですが、それとは別に「給付型」もあります。つまりは、「返さなくていい」奨学金です。日本学生支援機構の他、大学や高校、自治体、さらには民間企業の公益財団法人も実施しています。

現在高校生でこれから利用しようと考えているならば、まずは在籍の高校の奨学金相談窓口で早めに相談をしましょう。これまでの事例や無理のない借入額の考え方などのアドバイスを受けることで奨学金の不安も解消されるはずです。合わせて、各募集要項など、事前の情報収集をしっかりしておくことも大切です。

(※1)2015年11月末、日本学生支援機構「奨学金延滞者に関する属性調査結果」より
(※2)奨学金申請時に家計支持者(保護者等)の年収が300万円以下の場合、猶予の期間制限なし