Q. 安心して投資商品を購入することはできるのでしょうか?

<私、悩んでいます>

投資にはリスクがあるということは理解できます。しかし、リスクについて十分な説明を受けられているか、誤った商品の情報がないか不安を感じます。安心して商品を購入するため、金融商品の販売会社の説明をどの程度信じればよいでしょうか?(男性/23歳)

ファイナンシャル・プランナーからのアドバイス

  • 金融商品の販売会社は、消費者が安心して投資できるよう十分な説明が義務づけられている
  • 説明が十分でないために損失を被った場合は、損害賠償請求が可能
  • 情報・説明をしっかり理解したうえで、投資判断は自己責任で行う
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消費者保護として説明義務が法律で定められている

投資商品の購入を検討するとき、金融機関の担当者から商品の内容について事前に説明を受けるはずです。あるいはチラシ、パンフレットでもその内容を確認できますし、インターネットから購入するのであれば、ページ内で商品説明がされています。
しかし、その説明は本当に信用できるのか。本来、知っておくべきことが知らされていないことはないのか。そう不安を抱く人もいるでしょう。仕組みが複雑な金融商品も身近になってきており、消費者がその販売、勧誘をめぐるトラブルに巻き込まれないようにすることも必要です。消費者が安心して取引ができる環境を作るため、投資商品の販売には消費者を守るためのいろいろなルール、規制が設けられています。

まず、消費者が知っておくべき情報、商品内容について、金融商品の販売会社には十分に説明することが法律(金融商品販売法)によって定められています。元本割れなどのリスクがあるのか、あるとすればどのような要因が考えられるのか。また、商品によっては、解約(売却)できる期限や、取得できる権利を行使する期間(※1)が制限されているといったものもあります。これらについても同様に説明義務が課せられています。

そして、金融商品の販売会社がこのような説明義務を怠ったことにより、もしも消費者が損害を被った場合には、消費者は損害賠償請求ができます。これもまた消費者保護のための重要な規制となっています。

消費者保護のルールはあるが投資は自己責任

実際に投資商品を購入する際、消費者保護が必要となるのは、商品説明を受けるときだけとは限りません。
例えば、私たちがよく目にする投資商品の広告。ここに知っておくべき正しい情報が掲載されていないなら、安心して購入することはできません。したがって、発生するリスクや手数料などについて明確に、かつ適正なサイズで表示することが義務づけられています。加えて、「3年で元本が倍になる」といった、それが明らかに事実と異なる、誇大な表現も法律(金融商品取引法)で規制されています。

また、次のような販売、勧誘行為も、投資判断を誤らせるという理由により、同法で禁止されています。
•    真実でない説明をして購入をすすめること
•    「絶対儲かります」などと断定をしたり、そう思わせるような表現を使って購入をすすめること
•    断わったのに何度も勧誘する(再勧誘)、頼んでいないのに自宅や職場に電話、あるいは直接出向いて勧誘すること(不招請勧誘)(※2)

さらに、金融商品の販売会社には契約前と契約時に、元本割れの可能性の有無、手数料などのコスト、その他、必要な契約内容を明記した書面を渡すことも義務づけられています。それにより、いつの場合も消費者は、事前の説明で抜けている部分はないか、数字に誤りがないかなどを確認することができるのです。

このように、さまざまな規制、ルールによって、安心して投資を行うことができる環境は整っていると言っていいでしょう。
しかし、私たち消費者も意識すべきことがあります。まずは、義務づけられたルールを守らない金融商品の販売会社からは商品を購入しない。これはとても大事なことです。そして、リスクの有無やその内容など、商品の正しい説明を受け、それをしっかり理解したならば、それを購入するかどうかは自己責任で判断するということです。

(※1)例えばワラント(新株予約権証券)の権利行使期間などがそれに該当する。
(※2)個人向けの店頭デリバティブ取引全般などが対象とされている。