外貨預金の特徴を知る

日本円を「外国の通貨」に換えて預ける預金を「外貨預金」といいます。定期で預ける「外貨定期預金」を指すことが多いのですが、最近では普通預金を外貨で預ける「外貨普通預金」もあれば、外貨建ての通知預金を扱っている銀行もあります。「円預金」と比べた時の利点もリスクもそれぞれありますので、外貨預金の特徴を知って利用しましょう。

外貨預金には為替や外国の金利が影響します

運用後円に替える時の為替レートが預け入れた時より円安になっていれば為替差益が生じます。逆に円高になっていれば為替差損が生じ、外貨での元本は保証されますが、円建ての金額は預け入れた時より減ることもあります。為替変動によるリスクを回避する為替予約が使える一方で、預金保険の対象にならないなど、円預金と異なる特徴もありますので、利点やリスクを知って利用しましょう。

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「外貨預金」のおもな特徴

「外貨預金」のおもな特徴は次のとおりです。

  • 「円」を「外貨」に交換して預けるのが一般的で、「円」と「外貨」を交換する際には為替手数料がかかることが多いです。
  • 「外貨」での預け入れ、引き出しには手数料がかかることもあります。
  • 利息も外貨で支払われます。
  • 為替相場の動きしだいで、得をしたり損をしたりします。
  • 外貨定期預金の預入期間は、1ヵ月、3ヵ月、1年などと設定されている場合が多いようです。
  • 金利は、外貨定期預金は預け入れたときの金利が満期まで変わらない固定金利、外貨普通預金は変動金利です。
  • 預金保険 の対象外です。
  • 障がい者等のマル優 の対象外です。

 実際の商品のサービスの内容・取扱いは、銀行によって異なります。詳しくは、お取引銀行にご確認ください。

「為替予約」は為替変動によるリスクを回避する手段

預入日から満期日の前日までの間に満期日の為替レートを確定させることを「為替予約」といい、為替変動によるリスクを回避する方法として利用されます。為替予約をした時点で、満期日の受け取り円貨額を確定できるので、満期日当日の為替レートに関係なく、為替予約したレートで円に交換できます。為替予約をした時点で為替変動リスクはなくなりますが、それ以降円安になっても、為替差益が増えることはありません。為替予約は取消し、変更はできません。

外貨を売り買いするときの交換レートは2種、「TTS」と「TTB」

銀行で「円」と「外貨」を交換する際の交換比率には「TTS(telegraphic transfer selling:電信売相場)」と「TTB(telegraphic transfer buying :電信買相場)」の2種があります。

「TTS」は円から外貨に替えるときのレートで「TTB」は外貨から円に替えるときのレートです。

TTS、TTBは各銀行が独自に定めています。手数料は銀行によって異なりますので、詳しくはお取り引き銀行にご確認ください。

外貨定期預金が満期になったら

満期日を迎えたら「円に交換する」、「そのまま元利金を外貨として運用する」、「元金だけをそのまま外貨として運用し、利息は円に交換する」、「そのまま外貨として使う」といった方法から選択することができます。為替差益は「雑所得」として総合課税の対象となります。為替差損が生じたときは雑所得から控除することができます。

外貨預金の運用の実際(米国ドルの場合)
外貨預金の運用の実際(米国ドルの場合)

①解約して円にする。

  • 円普通預金、円貯蓄預金などに預け替え、損益を確定させる。
  • 運用後、外貨を円に交換する比率を TTBといいます。

※為替差益は雑所得として総合課税されます。雑所得は年収2千万円以下の給与所得者で給与以外の所得が20万円の場合は申告不要です。
※為替差損は雑所得から控除できます。

②外貨のまま運用する

  • 外貨定期預金として継続または外貨普通預金に入金する。
  • 外貨普通預金に入金する際の手数料については、お取引き銀行にご確認ください。

③外貨として使う

  • 外貨現金に替えて払い戻す。
  • 外貨現金の取扱い手数料については、お取引き銀行にご確認ください。

外貨預金を解約するときの注意事項

原則として中途解約はできませんが、取扱い銀行がやむを得ないものと認めた場合、中途解約をすることができます。その場合、外貨普通預金利率が適用されることが多いようです。
最低預入額、付利最低残高、付利単位は各銀行によって異なりますので、詳しくはお取引き銀行にご確認ください。