令和元年11月25日(月)13:30~14:20

 社会科公民的分野「私たちの経済(市場の働きと経済、国民の生活と政府の役割)」の単元で、消費者である個人や企業の経済活動における役割と責任を理解すること、社会の変化を踏まえ、自分自身が消費者としてどのような点に注意して経済活動に参加すべきかを考察し、自分の意見を表現できるようになることを目的とした授業が実施されました。

 1時間目は、「キャッシュレス化が進むことで社会がどのように変化するか」がテーマです。
 「はじめてのお金の時間」(テーマ1お金を使う③キャッシュレスってなに?)を活用し、現金・クレジットカード・電子マネーの特徴を踏まえ、キャッシュレス化がもたらす社会の変化について考えていきます。

 東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されている2020年、日本の状況はどのようになるか考えるところから授業はスタートしました。2019年のラグビーワールドカップ以上に多くの外国人が日本を訪れることが想定されるところ、外国人が日本で買い物をする際、現金の場合は日本円への両替が必要になりますが、キャッシュレスであれば両替の手間もなくスムーズに買い物ができることを確認しました。
 ここで、世界のキャッシュレス決済比率をスライドで確認しました。キャッシュレス化が進んでいる国では40~60%台に達する中、日本は18.4%(2015年時点)となっています。しかし、生活の中で様々なキャッシュレス決済を目にしたり、活用したりしている生徒たちにとって、この数字は意外だったようです。先生からは、消費税率引上げに伴う国の対策としてキャッシュレス・消費者還元事業が実施されており、急速にキャッシュレス化が進んでいる現状があること、特にQRコードやバーコード決済が普及してきていることが伝えられました。
 
 ここで、キャッシュレス化が進むと日本はどのように変化していくのかを考えていきました。
 はじめに班活動で、教科書や資料(「はじめてのお金の時間」(テーマ1お金を使う③キャッシュレスってなに?)授業進行スライド)を参考に、現金、クレジットカード、電子マネーのそれぞれの特徴、決済のタイミング、良い点、注意点などをワークシートに書き出していきました。

【各班のまとめ】

 現金払い:同時支払い、持っている額しか使えない、おつりが出る、荷物になる
 クレジットカード:支払いがスムーズ、使い過ぎる、分割で支払える、大きな金額で使われる
 電子マネー:支払いがスムーズ、カードやスマホがあれば使える

 次に、現金、クレジットカード、電子マネーの特徴などを踏まえ、キャッシュレス化が進むことで社会はどのように変化するか考え、「マインドマップ」に落とし込みをしていきます。マインドマップとは記憶の整理や発想をしやすくする目的で使われるもので、キーワードやキーイメージを中心に置き、そこから放射状に枝を延ばし、キーワードやイメージを繋げることで作成していきます。今回は「キャッシュレス化」という単語を中心に展開していきました。

 先生からは「Amazon Go」のようにスマホさえあれば商品が購入できる仕組みや、フィンテックと呼ばれる新たな金融サービスについて補足説明がありました。
 最後にキャッシュレス化の良い点、注意点や課題を踏まえ、キャッシュレス化が進むと起こり得る社会の変化に対して、自分はどのような力を身に付けていかなければいけないかを個人で考え、ワークシートにまとめていきました。
 
 次時は引き続き、お金との関わり方について学んでいくことが先生から伝えられ授業は終了しました。

【生徒のまとめ(抜粋)】
  • カードの仕組みや使い方を理解し、カード会社に与える個人情報を把握しておかないといけない。
  • キャッシュレスの長所・短所を理解したうえで利用し、子どもや高齢者に分かりやすく教えられる力も必要になる。
  • 停電したらシステムが使えなくなるので、現金とキャッシュレスの使い分けができるようにしておく。
  • 個人情報が不正利用されないように、仕組みを正しく理解して活用する力をつけておかないといけない。
  • 個人情報を盗まれたり、不正利用されたりした場合の対処方法も知っておかなければならない。